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“ユーザーの事業のコンシェルジュでありたい”、弥生の最新業務ソフト「弥生 16シリーズ」

給与製品はマイナンバー対応を実施

 弥生株式会社は、業務ソフトウェア製品群「弥生 16シリーズ」を10月30日に一斉発売すると発表した。給与製品において、10月5日から施行されたマイナンバー法への対応を行ったほか、会計製品でも外部アプリケーションとの連携機能強化などを実施している。

 10月30日に発売されるのは、「弥生会計 16」「弥生給与 16」「弥生販売 16」「やよいの青色申告 16」「やよいの給与計算 16」「やよいの見積・納品・請求書 16」「やよいの顧客管理 16」の各製品。

弥生 16シリーズ

 このうち今回の目玉は、マイナンバー法に対応した給与製品の最新バージョン「弥生給与 16」「やよいの給与計算 16」だろう。マイナンバーは「有意義だとは思うが、事業者の観点からすると大変な制度」(弥生 代表取締役社長の岡本浩一郎氏)であり、かつ「どんなに小さな事業者であっても対応していかないといけないもの。避けて通ることはできない」制度である。

「弥生給与 16」「やよいの給与計算 16」のパッケージを手にした、代表取締役社長の岡本浩一郎氏

 そこで両製品では、主に、マイナンバーの取り扱いにおける安全管理措置への対応を支援する。具体的には、マイナンバーの保管から廃棄・削除の管理や、システムログの記録・参照・出力、データベースの暗号化、アクセス権限の設定とパスワードによる保護、といった機能を搭載し、マイナンバーの保護を確実に行えるようにした。さらに、マイナンバー制度導入で必要となる、事務取扱担当者の設定や、従業員のマイナンバー情報の登録などを確実に行えるよう、初期設定がステップごとにかんたんに操作できる「マイナンバーナビ」機能を備えている。

 データの保存先についても、ローカルではなくオンラインストレージ「弥生ドライブ」を選択でき、会計事務所との安全なデータのやり取りにも対応するとした。

弥生給与 16におけるマイナンバー対応
設定を支援するマイナンバーナビ
マイナンバーの安全管理措置に対応
マイナンバー対応ソフトウェア認証を取得済みだ

 ただし、マイナンバーのような複雑かつ新しい制度への対応は、ソフトウェアの機能を提供するだけでは十分とはいえない。そこで、ソフトウェアの保守サポート「あんしん保守サポート」において、カスタマーセンターがマイナンバー制度に関する相談を受け付ける「マイナンバー相談」、マイナンバー制度への対応に必要な基本方針や取扱規程・委託契約のテンプレートのダウンロード提供、マイナンバー制度を理解するためのセミナー動画の提供などを7月から先行して行ってきた。

 岡本社長はこうした取り組みについて、「当社では従前からサポートを提供し、ソフトウェアだけでは解決できないお客さまの業務上の悩みを解決してきた。こうしたサービス提供は、『事業コンシェルジュ』として拡充している業務相談サービスをさらに拡充するもので、サービスとしての支援は、今後も継続して提供していく」と述べ、ソフトウェアとサービスの二本柱に注力していく姿勢を示した。

 なお弥生では、サポートサービスの契約者以外にも、マイナンバー制度特設サイトなどを通じて、広く情報を発信していくとのこと。

ソフトウェアの機能追加だけでなく、サポート・サービスの面でもユーザーを支援する
マイナンバー規定集をダウンロード提供。のべ10万ダウンロードを超えたという

マイナンバー以外の機能強化

 マイナンバー関連以外の強化では、法令改正に関する情報や、製品のアップデートに関するお知らせなどを表示する「弥生メッセージセンター」を強化し、製品やオンラインストレージ「弥生ドライブ」を直接起動できるようにする。その他のツールやマニュアルなどにも直接アクセスが可能になっており、弥生ではメッセージセンターのポータル化を進める考えだ。

 また、会計ソフトウェア「弥生会計 16」「やよいの青色申告 16」では、かんたん取引入力機能をリニューアルし、クラウドサービスの「弥生会計オンライン」で使いやすく改善された機能をデスクトップアプリケーションへ“逆輸入”した。

弥生メッセージセンター強化
かんたん取引入力の刷新

 あわせて、データ連携機能「YAYOI SMART CONNECT」では、法人銀行口座の自動取り込み、交通費など複数の取引を1つにまとめて仕訳データとして登録する「まとめ仕訳」などの機能を新たに搭載。スキャナやスマートデバイスで証憑類を読み取って取引データを生成できる「OCR取込」も可能になり、電子帳簿保存法の改正に伴って、2016年1月より緩和される証憑類のスキャナ読み取りによる電子保存要件に対応した。

 なお、このYAYOI SMART CONNECTの強化は、クラウドサービスの弥生会計オンライン、「やよいの青色申告オンライン」「やよいの白色申告オンライン」でも行われている。

YAYOI SMART CONNECTの進化

石井 一志