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日本HP、実装密度とI/O容量を両立させた新サーバー~Ubuntu Serverの販売も開始

HP ProLiant SL2500 Scalable System

 日本ヒューレット・パッカード株式会社(以下、日本HP)は4日、スケールアウトサーバー事業の強化について発表を行い、ハードウェアの新製品に加え、Ubuntu Serverを自社製品として販売/サポートしていくことも明らかにした。

 発表された「HP ProLiant SL2500 Scalable System」は、主にデータセンター内などでの利用を想定したマルチノードサーバーの新モデル。2Uサイズのシャーシに最大4台のサーバーノードを搭載する。ラック前面側はHDDベイとなっており、最大24基の2.5型HDDまたは最大12基の3.5型HDDを搭載できる。

 サーバーノードは背面側からの装着となる。発表時点ではSL210t Gen8(1U)のみが用意されるが、将来はSL210T Gen8(2U)が追加される予定。これは、サーバーノードの厚みを2Uに倍増させたもので、シャーシには最大2台が収容可能。増厚された分を拡張用スロットの装備にあてることで、サーバーノード当たり3スロットのPCI Expressスロット(PCIe)と、HP独自のFlexLOMスロットが利用できる。

HP ProLiant SL2500 Scalable Systemの概要
新製品のラインアップ

 また、英Canonicalの「Canonical Ubuntu Server」の販売開始も発表された。以前からHPでは、同社のサーバーに対するCanonicalの認証を取得するなど、Ubuntu Serverの利用をサポートしてはいたが、今回からは日本HPによるテクニカルサポートが提供され、日本HPがサーバーオプションとして販売する。

 Ubuntu Serverの選定理由は、クラウドやスケールアウト市場でUbuntu Serverのシェアが高いことが挙げられた。Ubuntu Serverではライセンスコストやサブスクリプション費用が発生しないため低コストな上、比較的短いサイクルでのアップデートが定期的に行われており、最新技術の導入が早いため、先進的なユーザーが活用してきているが、エンタープライズユーザーが求めるサポート体制の整備の必要もあった。

 今回、日本HPがサーバー/ハードウェアと合わせてワンストップでサポートを提供することで、エンタープライズユーザーにも安心してUbuntu Serverを利用できる体制を整えた形になる。また、Ubuntu Serverでは大規模なスケールアウト環境で簡単にソフトウェアのデプロイやサーバーの設定ができる独自ツールの整備も行っており、この点もスケールアウト市場への対応強化を図るHPの意向と合致したという。

 HP ProLiant SL2500 Scalable Systemの価格は、最小構成で135万1000円から。当日受注開始で、出荷開始は11月中旬の予定。HPサポート付きCanonical Ubuntu Serverの販売価格は、1年間の標準時間サポート付きCanonical Ubuntu Server Standardで7万1400円となっている。

Canonical Ubuntu Serverを販売開始する
サポート体制
Canonical Ubuntu Serverの販売価格
スケールアウトサーバー事業を強化するために新製品を投入するとのこと

渡邉 利和