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SAPジャパン、HANAとのデータ同期に対応した自己管理型DB「SQL Anywhere 16」

VE&ソリューション本部 シニアソリューションエンジニアの磯部信雄氏

 SAPジャパン株式会社は3日、自己管理型データベース(DB)新版「SAP Sybase SQL Anywhere 16」を発売した。

 SQL Anywhereは、自己管理性に優れる汎用RDBMS。自動販売機など遠隔地のコンピュータ機器のようなゼロメンテナンス環境向けの自己管理機能を備える。また、最低32MBメモリで稼働する軽さと堅牢性・性能を兼ね備え、さまざまなシーンでの利用が可能となっている。対応プラットフォームもUNIX/Linux/WindowsのデスクトップOS・サーバーOSのほか、iPhone/Androidをサポート。実際の利用形態としても全体の25%がモバイル上で運用されているという。SAP Sybase DBの中では、特にOEM提供されるケースの多い製品だ。

いつでも利用できる設計
対応プラットフォーム

 IVE&ソリューション本部 シニアソリューションエンジニアの磯部信雄氏は、具体的な特徴として「省リソースで稼働」「容易なインストール」「管理の自動化(クエリ自動学習機能や自動リカバリ機能)」「容易なデータ移行(DBをファイルコピーのみで移行可能)」「既存DBとのデータ同期」を挙げる。

 こうした手軽さと同時に、大規模システムとしての大量データ処理・並行処理に最適なさまざまな機能を実装するのが特徴。データベースミラーリング機能も搭載されている。

大量データ処理、並行処理に最適なさまざまな機能を実装
データベースミラーリング機能も搭載
新機能の概要

 新版では、データ同期機能を強化。さまざまな場所で運用されるSQL Anywhereは、中央の統合DBとデータを同期できる。従来は「SAP Sybase ASE/IQ」「Oracle Database」「IBM DB2」「SQL Server」「MySQL」などとデータ同期が可能だったが、新たに「SAP HANA」をサポートした。分散環境にあるSQL Anywhereを使用したアプリケーションのデータをSAP HANAによって分析可能となる。

 また、応答速度向上のためにクエリ最適化機能を拡張。クエリを割り当てるCPUコアごとの処理負荷をより平準化して、リソースを最大限利用できるようにした。データベースミラーリング機能も強化。ミラーサーバーの自動管理性を向上し、24時間365日運用の安定性を高めた。そのほか、ロールベースのアクセス権限によりきめ細かな権限設定が可能となっている。

川島 弘之