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2013年の国内データセンターサービス市場は9926億円、今後も順調に成長~IDC Japan予測

 IDC Japan株式会社は1日、国内データセンターサービス市場の最新予測を発表した。それによると2013年の同市場は、前年比8.5%増の9926億円で、2012年~2017年の年間平均成長率(CAGR)も7.0%と、今後も順調な成長が予測されている。

 IDC Japanでは、データセンターサービスを、顧客企業の情報システムを情報サービス事業者のデータセンターで監視・運用するサービスと定義している。これには、サーバー設置スペースを顧客に貸し出す「コロケーション」と、データセンター事業者が所有するサーバーを顧客に貸し出す「ホスティング」の2種類があり、特にホスティングが高い成長率を見せているとのこと。特にホスティングには、近年急速に利用が拡大しているクラウドサービスの一部が含まれており、市場拡大を加速させる要因になっているとした。

 またIDC Japanでは、これまではメールやWebアプリケーションなどのサーバーとして使われることが多かったクラウドサービスが、今後は、企業の業務システムのサーバーとしての利用が拡大すると見ている。大手データセンター事業者はこうした市場動向を踏まえ、クラウドサービスをベースとした企業情報システム環境をデータセンター内で構築・運用する「マネージドサービス」を充実させるようになったとのこと。

 地域別では、東京都のデータセンターは、今後も全国平均を上回るペース(2012年~2017年のCAGRが8.3%)で市場が拡大すると見ている一方で、中国/四国地方(同9.4%)や、北海道/東北地方(同8.0%)でも複数の大規模データセンターが新設/増設されるため、市場が順調に拡大すると、IDC Japanは予測している。

 ただし国内データセンター市場では、次第に事業者間の競争が激しくなっている上、電力コストの上昇によって、データセンター運用にかかるコストの抑制が課題になってきているとも指摘。「データセンター事業者は、自社のデータセンターポートフォリオを運用コストの観点から最適化していく必要がある」と、IDC Japan ITサービス リサーチマネージャーの伊藤未明氏は分析している。

国内データセンターサービス市場 サービスカテゴリー別売上額予測:2012年~2017年(出典:IDC Japan)

石井 一志