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日本オラクル、Java EE 7の価値を訴求~HTML5のアプリ開発を支える基盤に

Fusion Middleware事業統括本部 ビジネス推進本部 シニアJavaエバンジェリストの寺田佳央氏

 日本オラクル株式会社は19日、Javaの最新動向に関する説明会をプレス向けに開催。Fusion Middleware事業統括本部 ビジネス推進本部 シニアJavaエバンジェリストの寺田佳央氏らが、特に、6月12日に最新版がリリースされたJava EEの動向を中心に説明した。

 Java EE 7は、2009年12月にリリースされたJava EE 6以来、3年半ぶりに提供される最新版。ユーザーからの関心も高く、GlassFish v4やNetBeans 7.3.1など周辺のソフトを含めれば、リリース後まだ約1カ月間しか経過していないにもかかわらず、ワールドワイドでは数十万のダウンロードがあったという。

 機能面では、米Oracle 開発担当副社長のCameron Purdy氏が「HTML5、モバイルアプリ開発の究極のプラットフォームだ」とローンチイベントで述べたように、HTML5対応がもっとも注目される点。鈴木氏がブログで行った「どの機能に興味があるか」のアンケートでも、WebSocket、JSON-PなどHTML5に関連した機能へ興味が集まっているという結果が出ており、国内でも「HTML5のアプリ開発を支えるバックグラウンド基盤として、重要な位置を占める」(寺田氏)と位置付け、推進するとの考えを示した。

 またHTML5では、従来型、次世代型、いずれの開発でも幅広く対応しているという。すべてのデータや構成物をバックエンドのサーバーで作り込んで配信する従来型の手法では、JSF(JavaServer Face) 2.2に対応。また、必要なデータを必要に応じて取得する次世代型開発でも、WebSocketやJSON、Restful Webサービス開発を実現するJAX-RS 2.0などをサポートしている。

従来型(左)、次世代型(右)のいずれの開発手法についても、HTML5への対応が行われているという

 これ以外に、開発生産性の向上も図られており、Java SE 7への対応、冗長的なコードの排除などが行われた。後者については、寺田氏が試した結果、Java EE 6と比べて最大61%のコードを削減できたという。さらに、Java EE環境での並列処理実装方法の提供、バッチアプリケーションに対する標準化ニーズへの対応も行われているとのこと。

 なお、このような強化が実施されたJava EE 7だが、寺田氏は「Java EEはバージョンアップを重ねても、差分を吸収すれば理解できるようになっている。ベースとしてJava EE 6を押さえておき、差分であるJava EE 7の新機能を押さえれば理解可能」という点を指摘。前提としてのJava EE 6を理解しておくことが、Java EE 7の価値の理解につながるという点を示した。

石井 一志