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ヤマハ、センター向けのVPNルータ「RTX5000」~最大3000地点とのVPN接続に対応

ISDNからのマイグレーションも視野に

RTX5000

 ヤマハ株式会社は24日、多地点とのVPN接続が可能なセンター向けVPNルータ「RTX5000」「RTX3500」を発表した。最大3000地点とのVPN接続を行える点が特徴で、いずれも7月上旬の発売を予定する。

 RTX5000/RTX3500は、従来製品「RTX3000」の後継として提供されるセンター向けのVPNルータ。RTX3000では最大1000地点とのVPN接続に対応していたが、RTX5000では最大3000地点、RTX3500でもRTX3000と同等の最大1000地点とVPN接続に対応し、それぞれ大規模VPNネットワーク、中小規模VPNネットワークのセンタールータとして十分に利用可能な性能を備えた。

 またマルチコアCPUの採用もあって、RTX5000ではスループットが最大4Gbps、VPNスループット(1280バイト長)が最大2Gbps、RTX3500ではスループットが最大4Gbps、VPNスループット(同)が最大1.5Gbpsと、RTX3000から大幅に向上した。さらに、両機種とも、経路エントリー数は6万、動的フィルタセッション数とNATセッション数が6万5534へと拡張されており、より大規模なネットワークにも対応しやすくなっている。

 インターフェイスは全ポートがGigabit Ethernet(1000BASE-T)に対応しており、4ポートレイヤ2スイッチ×2、1ポート×2の独立4系統を搭載する。このうち2系統のスイッチはリンクアグリゲーションにも対応しており、別途スイッチを用意しなくとも、上位のレイヤ3スイッチなどと組み合わせた冗長構成が可能になっているとのこと。

 加えて今回は、2020年に終了するISDNからのマイグレーションを視野に入れているのも特徴。2基備える拡張スロットにモジュールを装着すれば、PRI×1あるいはBRI×8を利用できるが、ISDNの回線収容とデータ通信を代替可能なフレッツ光ネクスト回線の「ひかり電話ナンバーゲート」「データコネクト」を新たにサポートしており、SIP同時接続数として最大200チャネル(200回線分)を利用できる。

 このほか、予期せぬリブート/パワーオフ時にフラッシュメモリへログを書き込む機能や、Luaスクリプト、ファームウェアや設定、ログをmicroSDメモリへ記録する機能など、拠点用ルータで実績を積んだ各機能も搭載されている。また電源は、データセンター設置時の省電力化や利便性を考慮して、AC100V~240V(C13)に対応した。

 価格は、RTX5000が83万7900円、RTX3500が52万2900円。別売のPRIモジュール「YBC-1PRI-M」が15万7500円、BRIモジュール「YBC-4BRI-ST」が10万5000円。なおPRI/BRIモジュールは今回の新製品のために再設計されているので、従来のRTX3000用と互換性はない。

(石井 一志)