富士通、肉牛の生産管理を支援するSaaS型の食・農クラウドサービス


 富士通株式会社は28日、農業・畜産業向けの食・農クラウドサービス「Akisai(アキサイ、日本語通称:秋彩)」のラインアップに、肉用牛の生産を支援する「肉牛生産管理SaaS」を追加すると発表した。同日より販売開始する。

 「肉牛生産管理SaaS」は、牛の個体情報や、その時点における1頭単位の累積コスト(仕掛け原価)、日々の飼育作業などのデータを一元管理するクラウドサービス。出生から出荷までの繁殖・給餌・作業状況・疾病などのさまざまなデータを一元化しているので、例えば「高評価を受けた就農者や繁殖牛のデータと自農場のデータを比較して課題を発見する」といったことが可能になり、さらなる高品質の牛肉生産に向けて、繁殖計画や飼料計画の最適化検討などを行えるとのこと。

 また、出生から出荷までの繁殖・給餌・疾病情報をもとに、1頭単位の累積コストをリアルタイムに把握できるほか、同じ1頭でも分場単位に累積コストの照会を行えるので、より効率的な育成を行っている分場の育成方法を展開し、牧場全体の効率化を推進できるとしている。

 さらに育成・肥育中の仕掛け原価も把握できることから、コスト面から見た選抜、入れ替えなど、リソースコントロールの検討が可能になる。

 加えて、牛個体の基本情報や授精・分娩(ぶんべん)情報などをもとに、発情予定や分娩予定など、直近の各種予定リストが自動的に作成する機能を備えているので、少人数で多頭数を飼育している状況であっても、作業漏れの防止を支援できるとのこと。

 価格は1頭あたり年額1200円(税別)で、最低500頭、年額60万円(税別)からの利用となる。また別途、初期費用として導入支援費が必要。

 なお今後は、高い授精率で繁殖を可能にする「牛歩システム」や、経営力を強化する「経営管理SaaS」など、富士通の他サービスと連携を図り、製品ラインアップの拡充を図る計画だ。


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