富士通、物流業務を革新するソリューション「Logifit」シリーズを発表

第1弾として物流KPIパッケージを販売開始


富士通 執行役員常務 流通ソリューションビジネスグループ長の下島文明氏

 富士通株式会社は8月23日、物流業務を革新するロジスティクスソリューションとして、新たに「Logifit(ロジフィット)」シリーズを提供することを発表した。第一弾として、物流現場データを活用しマネジメント強化につなげる物流KPIパッケージ「Logifit/LM-物流KPI」を本日より販売開始する。

 「Logifit」シリーズは、倉庫や輸配送、物流コストといったそれぞれのデータを一元管理および分析することで、物流業務全体のマネジメントを強化することを目指すもの。「Logifit」シリーズを新たに展開するにあたり、富士通 執行役員常務 流通ソリューションビジネスグループ長の下島文明氏は、「従来までの流通は、生産者、小売り、卸、メーカーが、チャネルを通じて情報の提供や商品の供給を行ってきた。しかし、現在では、それぞれが消費者との直接的な接点を求めるようになっている。さらに、ネット系企業の進出や宅配・個配の進展などもあり、流通業界は大きな変革期を迎えつつある」と、その市場背景を説明。

物流業界に求められる変革戦略ソリューションによるビジネスの拡大

 「具体的には、リアルとネットを融合した新しいビジネスモデルへの対応や、生産から流通経路までの見える化・最適化、また物流の柔軟な対応などが求められており、今までのアプリケーションを作り変えたいというニーズも高まってきている。当社では、こうしたニーズに対応するため、小売りや卸、メーカー向けに各種戦略パッケージを展開してきた。そして今回、流通業における物流全体を支えるソリューションとして『Logifit』シリーズを新たにリリースする。これにより、流通業のビジネス構造の変革を支援するとともに、当社にとってのビジネスチャンスとしていく」(下島氏)との考えを示した。

富士通 民需ビジネス推進本部 流通ビジネスソリューション推進統括部 シニアディレクターの中丸岳夫氏

 「Logifit」シリーズでは、物流業務に関わるすべてのシステムを統合し、データを一元管理することで、変化する物流環境にいち早く対応していくという。富士通 民需ビジネス推進本部 流通ビジネスソリューション推進統括部 シニアディレクターの中丸岳夫氏は、「当社では今まで、LMS(ロジスティクスマネジメントシステム)、WMS(物流センター管理システム)、TMS(輸配送管理システム)の3つの領域に対し、それぞれ別ブランドでソリューション展開していた。今回、この3つのブランド製品の機能を、『Logifit』シリーズに整理・集約・強化することで、物流現場データの一元管理を実現する」と説明している。

 具体的には、各物流業務システムの実績データを、マネジメントシステムにリアルタイムに反映することで、業務の見える化による効率化やコスト削減を実現。また、顧客が求める物流システム機能の短期導入を可能にするほか、物流事業者だけでなく、物流を委託している荷主企業のロジスティクスシステムとしても利用することができるという。

「Logifit」シリーズの概要「Logifit」シリーズの全体像

 「Logifit」シリーズの第一弾として販売開始する「Logifit/LM-物流KPI」は、課題発見・原因解明に特化した物流KPIパッケージ。物流現場で発生した実績情報と、売上などの基幹システムからの情報を活用し、パッケージ標準機能として設定されている物流に特化したKPI項目で評価・分析を行うことができる。これにより、今までは十分に行われてこなかった売上高対作業コスト比率や売上高対輸送コスト比率といった比較が可能となる。

「Logifit/LM-物流KPI」の概要

 また、経営層から物流現場まで、利用者ごとに見たいKPI項目を簡単な操作で設定することができる。各KPI項目に対する評価を○、△、×などの記号表示でわかりやすく示すことで、異常値を迅速に把握することが可能。さらに、同社独自の観点から、各KPI項目を分析することで、異常値の原因を追究し、改善すべきポイントを明確化する。

 「Logifit/LM-物流KPI」の税別価格は900万円。5クライアントライセンスが9万円。同社では、2015年度1四半期末までに54セットの販売を見込んでいる。

 なお、今後の「Logifit」シリーズのロードマップについては、「2013年度第2四半期末にWMSのソリューション、2012年度第4四半期末にはTMSのソリューションをリリースする予定で、順次グローバル対応を行っていく。ターゲット業種は、年商300億円以上の約2000社。2015年度末までに、物流関連ビジネスで、累計400億円、500本の販売を目指す」(中丸氏)としている。


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(唐沢 正和)
2012/8/24 06:00