ファイザー、実消化システムをハイブリッドクラウド型で構築~NECのクラウドを利用


 日本電気株式会社(NEC)は30日、医療用医薬品メーカー大手のファイザー株式会社が、実消化システムをハイブリッドクラウド型で構築したと発表した。同システムはこのほど本格導入を開始したという。

 「実消化」とは、製薬会社における卸経由の製品販売実績のこと。実消化データは、販売実績管理、分析・戦略策定等のマーケティング業務や人事業績評価など、製薬会社における重要な指標の基礎データとなるため、各種業務システムで活用されている。

 今回、ファイザーでは、実消化クレンジング(データ変換)部分にNECのクラウドサービスを用いた。具体的には、クラウドサービスの運用基盤として、NECの共通IT基盤サービス「RIACUBE」を採用したほか、サービス基盤上での処理時間を向上させるため、NECの高速データ処理エンジン「InfoFrame DataBooster」を利用したことで、400万件のクレンジング処理を約20分で完了できているという。

 また、実消化クラウドとオンプレミス環境で構築したセールス統合マスタ管理システム(組織、担当者、エリア、施設担当、製品などの各種営業基本情報管理)を連携させる、ハイブリッド型でシステムを構築。セールス統合マスタからのデータ提供によるきめ細かい処理が可能なことに加えて、人事異動や組織変更など経営上の変革にも対応できる柔軟製を備えた。さらに、クラウドサービスとのハイブリッドにより、8カ月という短期間でのシステムを実現したとしている。

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(石井 一志)
2012/7/30 12:57