バンダイナムコ、基幹システム共通基盤を富士通のプライベートクラウド上へ構築


 株式会社バンダイナムコホールディングス(バンダイナムコ)は3日、富士通株式会社と共同で、自社の基幹システム共通基盤を構築したと発表した。すでに4月より、国内主要会社で稼働を開始しており、今後はほかの国内グループ各社への展開やディザスタリカバリ対策を実施。最終的には、海外を含めたグループの主要会社で稼働させる予定という。

 バンダイナムコグループではこれまで、事業会社ごとに異なる基幹システムを構築・運用してきたため、各社で運用業務やシステム関連の設備などが重複したり、異なるシステム間の連携作業が発生したり、といった無駄が生じていた。

 この状況を改善するためにバンダイナムコでは、2009年に策定した中期IT戦略に基づき、ICTインフラをグループ主要会社で統一していく方針を打ち立てた。そしてこの方針に基づき、グループ主要会社での基幹システムを、SAPを中心に刷新。富士通データセンター内のプライベートクラウド環境を利用して、ほかの業務システムもあわせ、ソフトウェアや設計の標準化、運用の統一などを行い、共通基盤上に動く仕組みを構築した。

 システムはクラウド上にて4月より稼働しており、バンダイ、バンダイナムコゲームス、バンダイビジュアルなどの国内グループ11社への導入を実施。さらに今後は、ナムコを含む国内グループ4社への展開などを順次行っていく予定だ。

 これによりバンダイナムコでは、稼働する基幹システムでグループ会社の全体最適を実現し、運用効率を大幅に向上させる計画で、TCOの3割削減を見込んでいるという。また、統一したシステム共通基盤を運用するよって、グループ全体のガバナンスを強め、経営強化につなげる狙いもあるとのこと。

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(石井 一志)
2012/7/4 06:00