デル、12世代サーバーのラインアップを拡充~Xeon E5-4600/2400シリーズ搭載製品を追加

1/4ハイトのブレードサーバーや4ソケットの高密度型など


PowerEdge 第12世代サーバの新製品

 デル株式会社は24日、3月より提供されている最新世代のx86サーバー製品群「PowerEdge 第12世代サーバ」のラインアップに、インテルが5月15日に発表した最新Xeonの搭載製品を追加すると発表した。ブレードサーバー、ラック型サーバー、タワー型サーバー計9製品を提供し、順次出荷を開始する。

 デルが提供している12世代目のサーバーは、IT環境の変化に迅速に対応するための“スピード”、変革を実現するための“パワー”、“効率性”の3つを注力点で、スペースあたりの性能向上と高集積化、運用効率といった要素を、前世代より向上させているのが特徴だ。

 今回の新製品もそれらの特徴を踏襲しているが、3月に先行して発表されたものとの違いは、搭載するCPU。先行製品はメインストリーム向けのXeon E5-2600シリーズを搭載していたのに対して、新製品は4ソケット向けのXeon E5-4600シリーズ、あるいは2ソケット向けの廉価版であるXeon E5-2400シリーズを搭載する。

 この意味について、マーケティング本部サーバ ブランド マネージャーの布谷恒和氏は、「廉価版のCPUを搭載したラインアップの下側と、4ソケットの高密度型サーバーという上側が新たに加わり、お客さまそれぞれの要件の中で、選べるサーバーの選択肢が広がったということ。一方、販売パートナーにとっても提案できる商材が増えた」と説明する。


マーケティング本部サーバ ブランド マネージャーの布谷恒和氏既存の第12世代サーバの上側と下側を補完するのが新製品の役割という

 新製品のうちラインアップの上側にあたるブレードサーバー「PowerEdge M820」、ラック型サーバー「PowerEdge R820」は、Xeon E5-4600シリーズを搭載した4ソケットサーバー。メモリもプラットフォームの上限となる48DIMMを搭載でき、最大1.5TBまでの拡張に対応しながら、PowerEdge M820はシングルワイドのフルハイト、PowerEdge R820は2Uサイズと、従来の2ソケットサーバーと同じサイズでの高密度実装を実現した。

 インターフェイスについても、PowerEdge M820は最大20の物理ネットワークポートもしくは最大48の仮想ネットワークポート、PowerEdge R820は7つのPCI Expressスロットを備えるなど、多数の搭載を可能にしている。

 布谷氏は、「4ソケットサーバーの市場は、日本ではもともと小さいが、統合率を高めたいという要求は多くいただいている。仮想化とHPCに対しては、パフォーマンスなどの面から1つのマザーボード上でなるべく完結させる方がよい、という考え方も広まっているので、これからの伸びを期待したい」と、市場について言及。仮想化による統合サーバーやHPC向けなどとして、いっそうの拡販を図る考えを示した。


ラック型サーバーのPowerEdge R820ブレードサーバーであるPowerEdge M820の概要

 一方、Xeon E5-2400シリーズを搭載する新製品の中では、1/4ハイトの小型ブレードサーバー「PowerEdge M420」が最大の目玉。超小型サイズを実現しつつ、1ブレードあたり2基のCPU、最大96GBのメモリ(将来的には最大192GBを予定)、2基の1.8型SSD(50GB/200GB)、オンボード10Gigabit Ethernet(GbE)×2、インターフェイス拡張用メザニンカードスロット×1を搭載しており、ハーフ(1/2)ハイトのブレードサーバーと遜色(そんしょく)のない性能を備えているという。また、これを10Uサイズのブレードサーバー筐体「M1000e」に搭載すると、32枚のブレードにより、64CPU、512コア、3TBメモリ、128の10GbEポートを収容する高密度実装を実現する。

 布谷氏は、「もっと狭いスペースにたくさんのCPUやメモリを収納したいという要望をお客さまからいただくが、通常はスペックや可用性との排他仕様になってしまう。しかしデルでは、今までのスペックや可用性、運用を変更することなく、これを実現した。サーバー統合、Webサーバー、HPCを検討するお客さまには有力な選択肢になるだろう」と述べ、このサーバーの価値を強調した。


1/4ハイトの超小型ブレードサーバーであるPowerEdge M420PowerEdge M420の概要

 最小構成価格は、PowerEdge M820が未定、PowerEdge R820が73万2690円から、PowerEdge M420が25万9350円から。このほか今回提供されるのは、ブレードサーバー「PowerEdge M520」(価格未定)、2ソケットの2Uラック型「PowerEdge R520」(21万2100円から)、2ソケットの1Uラック型「PowerEdge R420」(17万8500円から)、1ソケットの1Uラック型「PowerEdge R320」(12万8100円から)、2ソケットのタワー型「PowerEdge T420」(未定)、2ソケットのタワー型「PowerEdge T320」(未定)。

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