富士通、企業内の業務アプリをサービス化する「Service Catalog Manager」新版


 富士通株式会社は15日、企業内の業務アプリを短期間でサービス(SaaS)化できる「Systemwalker Service Catalog Manager」の新版(15.1)を発売した。出荷は7月より。

 同製品は、企業内のWebアプリを社内の部門やグループ会社へサービスとして提供できるようにするもの。ドイツで2012年3月に提供を開始した、ISVのアプリをSaaS化するパブリッククラウド型プラットフォーム「Business Solution Store」を、プライベートクラウド向けにパッケージ化し、機能をブラッシュアップしたものとなる。

 具体的には、社内の業務WebアプリをSaaS化するために必要な「利用申請管理」「テナント管理」「サービス管理」「利用者管理」「認証・認可」「イベント管理」「利用料集計」「料金表示」「レポート表示」「ポータル」「ブランド管理」「業務運用設定」といった運用管理機能をすべてそろえ、これらの運用機能と、CRMやERP、会議予約といった業務アプリをAPIを通じて連携させる。マーケットプレイスのような画面上にさまざまな業務アプリが表示され、グループ会社や部門ごとに好きなものを購入・利用できるようになる。

ドイツでのパブリッククラウドサービス実践で実績を積んだ運用機能を提供共通の運用機能セットが提供されるため、開発は業務ロジックの開発に専念できる

 昨今、グループ会社ごとに購入・設置していたサーバーを仮想化・集約し、親会社からリソースを貸し出すグループ会社共通のプライベートクラウド環境を構築する例が増えている。一方でプラットフォームの上で稼働するアプリは企業ごとにバラバラで共有できていないケースが多い。

 富士通が同製品で実現を目指すのは、親会社から貸し出されたクラウド環境上で業務アプリもグループ会社や部門間でで共有できる環境だ。他社・他部門の有用な業務アプリを共同利用できるようになれば、資産の有効活用が進む。

サーバーの仮想化・集約は進むが、その上で動く業務アプリは共有できていないケースが多いService Catalog Managerによって業務アプリの共有も進む

ポータル画面が提供され、そこから業務アプリを購入・利用する

 また、Service Catalog Managerに運用管理機能があらかじめ実装されているため、業務アプリにこれらの機能を実装する必要はなく、業務ロジックの開発に専念できるので、開発者にとってもメリットは大きい。これにより短期開発が可能となり、平均10日、最短6日ほどで業務アプリのサービス化が実現するという。

 同サービス上に登録された業務アプリ間はシングルサインオンが可能。業務アプリを登録した際に課金設定も柔軟に行え、利用期間(月、週、日、時間単位)、利用者数、業務アプリの特性に合わせた課金体系(例えば、会議室予約アプリでは会議室ごとに異なる価格情報)など任意の条件で設定可能。実運用時には部門ごとの費用負担も即座に確認できるようになっている。

 価格は200万円(税別)/CPUコア。

関連情報
(川島 弘之)
2012/5/15 06:00