サイボウズのkintoneを日阪製作所が採用、上海の営業拠点で使う案件管理アプリを構築
「案件管理」アプリのフォーム画面 |
サイボウズ株式会社は28日、株式会社日阪製作所が、サイボウズの業務アプリ構築クラウド「kintone」を採用したと発表した。日阪製作所では、kintoneを使って日本から上海にあるグループ会社の「案件管理」アプリを構築し、現地でブラッシュアップすることで、システム化およびメンテナンスの工数を大幅に削減したという。
日阪製作所は、熱交換機器・生活産業機器・バルブ事業の3事業を展開する製造業。そのグループ会社である日阪(上海)商貿有限公司(以下、日阪上海)は、日阪製作所の製品を販売する営業拠点で、情報システムの専任スタッフがおらず、案件管理などの社内の情報共有にはExcelを中心としたローカルファイルの受け渡しで行っていた。
しかし、肥大化するメンテナンスコストに課題を感じた日阪上海の責任者が、日阪製作所の情報システム課に相談。その結果、「案件管理」アプリを何らかの形で導入することになったという。そして、プロトタイプの構築を本社の情報システム課でバックアップし、カットオーバー後の基本的な運用・メンテナンスを現地スタッフに任せる、といった体制での導入を条件にしたため、同社発のクラウドサービスの導入に踏み切った。
kintoneが選定されたのは、PCの操作に慣れていない海外現地スタッフも直感的に使いこなせること、日英中の3カ国語に対応していること、対応履歴やステータスを管理できること、1ユーザー月額880円の安価な費用で利用できることなどが評価されたため。またアプリは、見積もり~受注~売り上げ~回収までの一連のサイクルを管理できるように設計され、他業務と同時進行しながら3日で完成したとのことで、日阪上海の従業員による試験も2日間で終了し、わずか1週間で運用が開始された。
なお、この「案件管理」アプリによって、ソフトウェアの操作に慣れない現地採用スタッフが、表計算ソフトで起こりがちだった、入力セルの確認作業などのささいなオペレーションストレスから解放されたほか、誤ってマクロを壊してしまったり、複雑化したファイルのメンテナンスが本社の情報システム課に戻されたりすることも回避できたとしている。