NTT Com、月額上限945円から利用可能なIaaS型パブリッククラウドサービス


 NTTコミュニケーションズ株式会社(NTT Com)とグループ会社の米Verioは28日、パブリッククラウドサービス「Cloudn」(クラウド・エヌ)を発表した。月額上限が設定された従量制課金を採用し、ソフトウェア開発者やグローバルに展開をするコンテンツプロバイダなどに最適という。まず、米国のデータセンターで3月30日より提供開始し、国内のデータセンターでは6月の提供開始を予定する。

 「Cloudn」は、豊富なAPIを備えた、拡張性の高いパブリッククラウドサービス。月額上限945円からの従量制課金プランを用意しており、利用用途に応じて安価に利用できるのが特徴で、例えばSaaSプロバイダがインフラ基盤として用いると、SaaS自体のコスト競争力が大幅に向上するという。また、開発用途などの期間限定目的にも低コストで利用できるとのこと。

 APIは、Amazon互換を含めて約150種類を用意。APIを利用した運用自動化を行えば、運用コストの大幅な削減も見込めるほか、利用するデータセンターを日米から選択することで、日本から海外に展開するコンテンツサービスやSaaSのインフラ基盤、日本国内からのグローバルディザスタリカバリなどを容易に実現できるとした。

 また、Web上提供されるコントロールパネルでは、GUIを用いて必要なリソースを即時に利用でき、リソースのスケールアップ/ダウンなど、ユーザーが必要な環境を速やかに用意することが可能だ。

 なお今後は、4月にオートスケール機能を、7月にCDN連携機能、10月にオブジェクトベースのストレージ機能を追加するなど、機能も順次強化される予定。さらに、Cloudn上で動作するアプリケーション実行環境のアウトソースが可能な、PaaS提供を計画しており、7月にトライアルサービスを開始する。

 サービスプランは、利用できるリソースに応じた5種類を用意した。エントリーの「プランvQ」では、0.25vCPU、512MBメモリ、15GBストレージ(Linuxの場合。Windows環境では40GB)が提供され、価格は起動時が1.995円/時、停止時1.05円/時で、上限が945円/月。ネットワーク利用料はかからない。

 OSはCentOS 5.7/6.2(64ビット)、Ubuntu v11.10と、Windows Server 2008 R2(64ビット)が選択可能。Windows利用時のOSライセンスは、NTT Comが有償で提供する。また、追加ディスクやスナップショット、マイテンプレート(ユーザーテンプレート)などの有償オプションが用意されるほか、無償で利用可能なファイアウォール、ロードバランサーも提供される。

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(石井 一志)
2012/3/28 12:03