セールスフォース、従業員のパフォーマンス管理サービス「Salesforce Rypple」などを開始
株式会社セールスフォース・ドットコム(セールスフォース)は16日、企業のすべての従業員、すべての顧客にまでソーシャルエンタープライズの世界を広げる2つの新製品「Salesforce Rypple」および「Salesforce Site.com」を発表した。
Salesforce Ryppleは、従業員のソーシャルパフォーマンスを管理するためのシステムで、もともとは、米salesforce.comが買収した米Ryppleの製品。これを利用すると、企業は従業員向けのソーシャルネットワークに社内の全従業員を組み入れ、目標の設定、目的の管理、フィードバックと評価の提供など、すべてを従業員ソーシャルネットワークの枠内で行えるようになる。これによって、チーム間で重要な優先項目を共有しながら、一貫して目標を達成していくために欠かせない、継続的なフィードバック、コーチング、評価を実施し、効果的なパフォーマンス管理を、手間をかけずに実現できるとした。
Salesforce製品との統合も行われる予定で、Salesforce環境内からリードや取引先などについて各チームへ直接感謝のメッセージを送ってそのモチベーションを高めることが可能。例えば営業担当者が、自分の顧客に対して質の高いサービスを提供してくれたカスタマーサービス担当者へ感謝のメッセージを送ったり、営業のマネージャが契約を獲得した営業担当者にメッセージを送ったりすることができる。これらのメッセージはユーザーのSalesforce Chatterのフィードに表示されるので、その成果をリアルタイムに知ることが可能だ。
またChatterでは、マネージャおよびチームがカスタムバッジを作成し、チームおよび個人の成果を評価できる。この情報はフィードに表示されるので、ほかのユーザーが閲覧できるだけでなく、コメントを寄せたり「いいね!」の評価を与えたりすることが可能。予算以内で成果を上げたチームを財務部門が賞したり、重大な開発案件をリードしたエンジニアを評価したり、といった使い方を想定している。
価格は、ユーザーあたり月額5ドル。Salesforceとの統合機能は4月に一般提供開始の予定で、Ryppleを有償利用中のユーザーは追加料金なしで利用できる。
一方のSalesforce Site.comは、ソーシャルエンタープライズのために構築されたクラウド型のコンテンツ管理システム(CMS)。テンプレートをベースにしたスタイル設定により、すべてのWebサイトおよびFacebookなどのパブリックなソーシャルネットワークを通じて、一貫したブランド体験を発信できるという。
またユーザーは、Site.comが提供する総合的なスタジオ/ビジュアルツールを活用できるだけでなく、一度コンテンツを作成すれば、自社が展開しているさまざまなWebサイト、ランディングページ、パブリックソーシャルネットワークへそのコンテンツを公開可能。データのスタイルを動的に設定できる機能を通じ、動画、画像、ソーシャルウィジェットなどをシームレスに組み込めるとした。
なおSite.comは、「Salesforce Sales Cloud」「Salesforce Service Cloud」「Salesforce Force.com」のカスタムアプリケーションを含め、既存のSalesforce環境および「Database.com」と統合されているので、ユーザーはSalesforce内で利用できるすべての情報を活用できるとのこと。
Site.comは個別にでも、既存のSalesforce環境へのアドオンとしても導入でき、サイトおよびWebサイト開発者ユーザーに課金される仕組み。サイトあたりの料金は月額1500ドル、パブリッシャおよびコントリビュータユーザーの料金はそれぞれ月額125ドル、月額20ドル。