SAS、クラウド型の統合マーケティング・マネジメントサービス


SAS Marketing Operations Managementの機能概要

 SAS Institute Japan株式会社(SAS)は15日、統合マーケティング・マネジメント(IMM)を実現するクラウドサービス「SAS Marketing Operations Management(MOM)」を発表した。同日より一部の先行ユーザーへ提供し、一般提供開始は2012年第3四半期の提供を予定する。

 「MOM」は、マーケティング業務の統合管理と最適化を行うためのSaaS型サービス。マーケティング業務における業務プロセスの統合、予算配分と実行管理、デジタルコンテンツの管理、マーケティングの効果測定と分析といった機能を搭載しており、マーケティングプログラムの立案と実行、最適化を支援できるという。このうちコンテンツ管理については、広告代理店などの外部組織とコンテンツを共有し、それらを一元管理することもできる。


SAS Marketing Operations Managementの画面イメージ。マーケティングのKPIを把握・分析実施状況のモニタリング画面
SAS ビジネス開発本部 CIグループ部長の高橋昌樹氏
導入効果

 SAS ビジネス開発本部 CIグループ部長の高橋昌樹氏は、「企業ではいろいろな戦略目標を持っているが、その目標と実際のマーケティング活動を整理し、きちんとした資源配分を行える。またチャネルが多岐にわたっている場合、マーケティングキャンペーンなどはバラバラで実行されがち。『MOM』を利用すれば、誰が何をやっているかを一元管理して、キャンペーンの“無駄打ち”を削減することも可能だし、実施する施策の進ちょくを把握するワークフロー管理の機能も備えている」と、これらの機能を説明する。

 またSaaS型であるため、最短10日間で導入開始できる迅速さも特徴。さらに、SASのほかのマーケティング製品との連携が可能で、例えば、「MOM」で登録したキャンペーンを、キャンペーン管理ソリューション「SAS Marketing Automation」と連携させて、キャンペーンリストの抽出からキャンペーンの実施までを自動化したり、ソーシャルメディア分析ソリューション「SAS Social Media Analytics」で収集・分析したインターネット上の顧客の声をデータとして取り込み、顧客の評価を定量的なKPIとして予実管理したり、といったことを行えるとした。

 すでに提供されている米国などでは、ブランド間で重複していたマーケティング費用を20万ドル削減(食品業)、広告代理店任せのコンテンツ管理から脱却しコストを7%削減(保険業)、承認サイクルを14週間から2週間に短縮し迅速なキャンペーン展開を可能に(製薬業)、といった効果を上げているとのこと。

 価格はオープンだが、「1企業あたり、年間数百万円から数千万円の下の方のビジネスになる」(高橋氏)としており、こういった価格のため、ワールドワイドでのユーザーもほとんどがグローバルレベルで活用する大企業が中心。国内では、2012年度は先行ユーザーとして、まず3社程度への導入を見込むとした。

関連情報
(石井 一志)
2012/3/15 16:53