三菱重工長崎、SQL ServerをベースとしたDWHアプライアンスの富士通版を採用


 富士通株式会社と日本マイクロソフト株式会社は18日、データウェアハウス(DWH)アプライアンス「Microsoft SQL Server Fast Track Data Warehouse(DWH)」を、三菱重工業株式会社 長崎造船所(以下、三菱重工長崎)が採用したと発表した。

 Fast Track DWHは、SQL Serverを利用し、中小規模環境に最適化されたDWHアプライアンスで、SQL Server 2008 Enterprise Editionとx86サーバー、ストレージを組み合わせ、事前検証された最適構成で出荷される点が特徴。日本マイクロソフトが直接製品化するのではなく、各サーバーベンダーなどが独自に構成して提供する形態のため、さまざまなサーバーベンダーが提供しており、富士通もその1社として名を連ねている。

 今回、Fast Track DWHの富士通版を採用した三菱重工長崎では、従来、現場の従業員が基幹システムに蓄積された設計情報データなどを利用したいと思っても、要望を受けたシステム部門が、複数の基幹システムからの必要情報を抽出した上で、要望された形式に整えて提供するといった手順を踏まないといけなかった。こうした要望は年間約300件にもおよび、システム部門にとっては作業負荷が、現場にとってはタイムリーな情報活用ができないという点がそれぞれ課題になっていた。

 そこで同社は、3TB以上ある基幹システムのデータをFast Track DWHに統合し、日本マイクロソフトが提供する「セルフサービスBI」環境を構築することで、こうした課題を解決したという。セルフサービスBI環境では、現場の従業員自身が、必要なデータを抽出・加工・分析できることから、迅速な意思決定や業務効率の向上を実現している。

 なお、富士通版のFast Track DWHを選定したのは、パフォーマンス性能や信頼性の高さ、コストを抑えた導入といった点に加えて、富士通によるワンストップのサポート体制を評価したため。価格については、普及価格帯の標準製品の組み合わせにより構成されているので、他社のDWHアプライアンスと比べ、約4分の1のコストで導入されたとしている。

 さらに三菱重工長崎は今回導入された部分以外にも、長崎造船所の購買部門、プロジェクト管理部門、監査部門の3部門で同システムの利用準備を進めているほか、今後、他地域の拠点や、三菱重工業の他部門でも利用も検討中とのことだ。


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