カスペルスキー、Windows向けエンドポイント保護ソリューション

~きめ細かな管理機能を搭載し、Android端末やストレージ製品にも対応


株式会社カスペルスキー 代表取締役兼CEO 加賀山 進氏

 株式会社カスペルスキーは、「Kaspersky Endpoint Security 8 for Windows」および管理ツール「Kaspersky Security Center」を10月31日に発売すると発表した。価格はこれまでオープンプライスとしていたが、今回から標準価格を設定。「Kaspersky Endpoint Security 8 for Windows」は10ユーザー契約時に1ユーザーあたり6480円から。

 代表取締役兼CEOの加賀山 進氏は、「全世界の調査では、何らかの攻撃を受けたことがあると考えている人は、日本では100人に10人と約1割に止まるのに比べて、米国では30%、東欧や南米では50%に上る」という調査データを紹介した。

 加賀山氏は、1981年に銀行のオンラインシステムが6時間止まったことが大きく報道されたことをきっかけに、落ちないことを最優先にするシステム開発が行われ、この30年で日本はシステムダウンに関しては最も品質に厳しい先進国になったという経緯をあげ、「日本は世界一の品質を要求するマーケットとして知られるが、世界一のセキュリティを要求する市場に変わっていく可能性がある」と説明。

 「それがITの技術を向上させ、世界に貢献していくことにつながる」として、現状では世界的に見て高いとはいいがたい日本企業のセキュリティに対する意識を高めることにより、品質を追求する日本ならではのセキュリティレベルを実現できると強調した。

 「Kaspersky Endpoint Security 8 for Windows」は、Windows OSマシンを保護するクライアント製品で、管理ツールが「Kaspersky Security Center」となる。「Kaspersky Security Center」は、Windowsクライアントだけでなく、Android用クライアントアプリの一括管理にも対応する。

 「Kaspersky Endpoint Security 8 for Windows」では、コンシューマ向け製品ではすでに採用されているクラウドベースのレピュテーションデータベースを新たに採用。即時レスポンスを備えた緊急検知機能を搭載し、新しい脅威でもレピュテーションデータベース登録後、最速40秒でWindowsマシンのマルウェアを削除するなどの対応が可能だという。

 また、アプリケーションはセキュリティ面から許可、弱い制限付き、強い制限付き、禁止の4つに分類して継続的に監視する機能のほか、アプリケーション起動についてもホワイトリストとブラックリストを用いて起動の許可・禁止も行える。アプリケーションの実行権限やシステムレジストリ、リソース、ユーザーデータといったデータへのアクセス制限機能も備えた。

 脆弱性モニター機能では、SecuniaとKaspersky Labの2つの脆弱性リストを採用し、アプリケーションの脆弱性をチェック。通知や警告、修正パッチの適用などを「Kaspersky Security Center」で一括管理する。

 Windowsマシンに接続する機器のコントロールも、リムーバブルデバイスやプリンターなどの機器別、USB、Bluetooth、赤外線などのインターフェイス別にルール設定が可能で、機器IDを持つUSBメモリだけは許可するといったより細かな設定にも対応する。

 ルール適用のスケジューリング機能も持ち、昼休みは使えないなど、PCを使う時間を制限することもできる。Webアクセスのコントロール機能も備えるが、個別のURLフィルタリングなど個人の業務に合わせた柔軟な設定ができるほか、Active Directoryと統合しての運用も可能だとしている。

 対応OSは、Windows XP/Vista/7、Windows Server 2003/2008、Small Business Server 2008/2011。

「Kaspersky Endpoint Security 8 for Windows」は10ユーザー契約時に1ユーザーあたり6480円からコンシューマー製品では採用済みのクラウドベースのレピュテーションデータベースに対応アプリケーションを4つのグループに分類し、継続して自動監視を行う
デバイスコントロールは、機器別、インターフェイス別に詳細なルール設定と適用が可能URLフィルタリングも、業務によってグループ分けしてそれぞれのルールを設定するなど柔軟な運用ができる「Kaspersky Endpoint Security 8 for Windows」のおもな特長

 Kaspersky Security Centerは、新たにVMware仮想マシン管理に対応。動的に増減する仮想マシンを自動判別するほか、仮想マシンのタスク実行によるシステム負荷の分散を最適化する機能も備える。仮想管理サーバーは1物理サーバー上で2レベルの管理サーバー階層までサポート、1つのインスタンス内部に10の仮想管理サーバーを作成できる。

 資産目録作成・脆弱性スキャンニングに対応したセキュリティ状況評価ツールも搭載し、詳細なインベントリの実行、脆弱性情報の自動更新などにより管理者の負担を軽減する。

 今後の製品スケジュールでは、11月に「Kaspersky Endpoint Security 8 for Smartphone」をリリース。新しい製品のため、2012月3月までは評価用の無料キャンペーンを実施する見込み。Smartphone(Android OS)版の価格は、10ユーザーで1ユーザーあたり4050円からとなる。EMCストレージ向けの製品も含め年内にはラインナップが出揃う予定だ。

 また、サポート体制を含め、パートナー制度も見直しを行う。これまでPlatinum Partnerがサポートを行っていたが、今回新たにカルペルスキーが運営する「Kaspersky Support Center」を設置。顧客企業がPlatinum Partnerと、カスペルスキー直営のサポートセンターのどちらでもサポートが受けられるようにする。パートナー制度についてはパートナー企業に新体制について告知し、パートナー企業からのフィードバックを検討した上で、年内には新しい体制をスタートさせる見込みだという。出揃った製品と新体制で、2012年から本格的に法人営業に取り組む。

「Kaspersky Security Center」では、新たにVMWareの仮想マシンの管理に対応した今後の製品リリース予定。11月にはAndroid版をリリース、来年3月まで無償で利用可能にする新パートナープログラム。新たにカスペルスキー直営のサポートセンターを設置、Platinum Partnerとサポートセンターのどちらでもサポートが受けられる

関連情報
(工藤 ひろえ)
2011/10/14 08:30