2015年の国内プライベートクラウド市場は9406億円、2010年の5.7倍に成長~IDC Japan予測


国内プライベートクラウド市場 配備モデル別 支出額予測、2010年~2015年(出典:IDC Japan)

 IDC Japan株式会社は12日、国内プライベートクラウド市場予測を発表した。それによると、2010年の同市場規模は1646億円で、2015年までは年間平均成長率(CAGR)41.7%で推移し、同年には9406億円に達すると予測されている。

 プライベートクラウドは、仮想化したリソースを「サービス」として扱い、柔軟性・迅速性・運用性を高める効果があり、現在は、経営戦略を支える俊敏性を持ったIT基盤として、IT戦略にたけた一部の企業で導入が進められている。

 一方多くの企業では、IT効率化のためにITインフラの仮想化・統合を進めているものの、プライベートクラウドの導入にあたって、仮想化環境に対する追加投資や新技術の習得が必要になることもあり、プライベートクラウドの導入には消極的な姿勢を示しているという。しかし、ITインフラの仮想化・統合の普及により、管理すべき仮想マシンの数が急速に増加しており、その結果としてシステムの運用管理が複雑化。これが大きな課題になっているのが現状だ。

 IDC Japanでは、こうした課題に対しては、プライベートクラウド化が有効であると指摘。仮想化環境の運用管理ソフトやクラウド構築・運用サービスが急速に発展していることもあって、2012年以降、「仮想化からプライベートクラウドへ」が進むとm同社では見ている。

 なお、2011年以降の国内プライベートクラウド市場で最も高い成長を遂げるのは、コミュニティクラウドサービス。現在のコミュニティクラウドサービスは、既存の産業特化型ソリューションのクラウド化(共同センター型)が成長を支えているが、2014年以降はクラウドの活用によって新しい価値を創造する、スマートシティのような社会インフラ事業や、異業種連携の業際クラウドが大きく成長すると、同社では予測している。

関連情報
(石井 一志)
2011/9/12 11:53