2011年の国内仮想化サーバー市場は3%増、大震災の影響で低い水準に~IDC Japan予測


国内仮想化サーバー市場 出荷台数予測、2010年~2015年(出典:IDC Japan)

 IDC Japan株式会社は6日、2011年第1四半期(1月~3月)の出荷実績と市場動向に基づいた、国内仮想化サーバー市場の最新予測を発表した。

 IDCの定義による「仮想化サーバー」とは、仮想化環境を構築するために出荷されたサーバーのこと。今回の予測によると、2011年の国内仮想化サーバー市場の出荷台数は前年比3.0%増の9万3096台になる見込みで、この背景には東日本大震災の影響から、国内サーバー市場全体の出荷台数が落ち込み、マイナス成長になることが背景にあるという。

 ただし2012年は増加が加速し、2けたの成長になると予測。その後2013年まではプラス成長を維持するものの、2014年はx86サーバーの更新需要の谷間にあるため、仮想化サーバー市場も影響を受け、微減になる見込み。次の2015年は、再びプラス成長に復帰し、2015年の国内仮想化サーバー市場の出荷台数は12万6932台になるとIDC Japanでは見ている。なお、サーバー出荷台数に占める仮想化サーバーの比率は、2010年の16.3%から6.7ポイント増加し、23.0%になる見込み。

 一方、2015年の国内仮想化サーバー市場の出荷額は1413億400万円、2010年から2015年の年平均成長率(CAGR)はマイナス0.9%と分析している。これは、1台あたりの価格が高いメインフレームやRISCサーバー、IA64サーバーが減り、x86サーバーを中心とした市場構造へ、同市場が転換していくと予想されるため。2015年の国内仮想化サーバー市場におけるx86サーバーの出荷額構成比は、2010年の30.6%から12ポイント上昇し、42.6%になる見込みという。

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(石井 一志)
2011/9/6 12:48