日本アバイア、仮想ネットワーク対応のスイッチング製品とプロビジョニングソフト
データセンターのネットワーク仮想化をエンドツーエンドで実現
日本アバイア株式会社は26日、データセンター向けのトップオブラック(ToR)スイッチングソリューション「Avaya Virtual Services Platform 7000」(以下、Avaya VSP 7000)および、仮想ネットワークと物理ネットワークを連携したプロビジョニングを自動化するソフトウェア「Avaya VPS(Virtualization Provisioning Service)」を発表した。
ソリューションマーケティング データソリューションマネージャーの山中幸代氏 | エンドツーエンドのネットワーク仮想化を実現する新ソリューション |
今回発表するソリューションの位置づけについて、ソリューションマーケティング データソリューションマネージャーの山中幸代氏は、「当社では、昨年11月にデータセンターのネットワーク仮想化アーキテクチャ『Avaya Virtual Enterprise Network Architecture』(以下、Avaya VENA)を発表している。これは、仮想化に対応したイーサネット技術IEEE 802.1aq Shortest Path Bridging(以下、SPB)に、ネットワーク全体で対応する業界初のアーキテクチャだ。今回新たに発表する2つのソリューションによって、この『Avaya VENA』によるデータセンターのネットワーク仮想化をエンドツーエンドで実現することが可能となる」と説明している。
Avaya VSP 7000 | Avaya VSP 7000の製品概要 |
「Avaya VSP 7000」は、1Gおよび10Gのポートを24ポート搭載した、高パフォーマンスでコンパクトな1ラックユニットのToRスイッチングソリューション。マルチテラビットのファブリックインターコネクトスタッキングを提供する。第5世代のASICチップセットをベースとしており、10Gから40G、100G、Fiber Channelまで幅広く対応するMDA(Media Dependent Adaptor)に対応することが可能。また、広帯域で低遅延ロスレスイーサーネットをサポートする。さらに、前面から背面および、背面から前面の冷却に対応している。
今後、スイッチのクラスタリング、SPB、仮想マシンごとの通信制御を物理ネットワークにマッピングする「IEEE 802.1qbg EVB(Edge Virtual Bridging)」および、ストレージをイーサネット上で接続し、仮想サーバーのモビリティを高める「FCoE(Fiber Channel over Ethernet)」に対応する予定。
「Avaya VPS」は、サーバー仮想化とネットワーク仮想化の連携を容易にするソフトウェア。これにより、仮想サーバーの管理者はネットワークのプロビジョニングを自動的に行うことが可能となる。データセンター全体で仮想サーバーから仮想ネットワークまで一貫したポリシーを適用し、高いコンプライアンスを実現できる。また、「Avaya VENA」のコンポーネントとして、ライブマイグレーションの利用を簡素化し、仮想マシンの状態変化にネットワークを同期することで、データセンターネットワークのプロビジョニングを自動化。ネットワーク設定にともなう手間やコスト、人為的ミスを低減することができる。VMwareの「vCenter Server」に対応予定となっている。
これらの新ソリューションを含めた「Avaya VENA」アーキテクチャを活用することで、企業は、データセンターのネットワーク設定が容易になり、複数のデータセンターにまたがって展開するアプリケーションやサービスの迅速な運用開始がエンドツーエンドで可能になるという。
システムエンジニアリング部 システムエンジニアリングマネージャーの日野直之氏 |
システムエンジニアリング部 システムエンジニアリングマネージャーの日野直之氏は、「Avaya VENA」によって同社が目指すデータセンターネットワークの展望について、「まず、ステップ1では『Avaya VENA』のリリースによって、SPB上でレイヤ2、レイヤ3の仮想ネットワークを実現し、データセンター間や拠点間接続のレイヤ2マルチパスに対応した。次のステップ2では、新製品のスイッチングソリューション『Avaya VSP 7000』により、データセンター内もマルチパスに対応。エンドツーエンドでレイヤ2レベルのマルチパスネットワークを実現する。そして、今回あわせて発表したプロビジョニングソフトウェア『Avaya VPS』を利用することで、ステップ3として、仮想サーバーとネットワークの連携が可能となる」と述べている。さらに、今後のステップ4では、「Avaya VSP 7000」を利用してイーサネットストレージにも対応し、エンドツーエンドでDCB(Data Center Bridging)に対応したマルチパスネットワークを実現するとしている。
「Avaya VENA」が実現する仮想ネットワーク:ステップ1 | 「Avaya VENA」が実現する仮想ネットワーク:ステップ2 | 「Avaya VENA」が実現する仮想ネットワーク:ステップ3 |
「Avaya VSP 7000」の価格は、グローバル参考価格で1万9995ドルから。8月29日より提供開始する予定。また、「Avaya VPS」のグローバル参考価格は5000ドルからで、2011年中の提供開始を予定している。