サイベース、DWH専用データベースの新版「Sybase IQ 15.3」~独自のMPPアーキテクチャを搭載


 サイベース株式会社は20日、データウェアハウス(DWH)向けデータベースの新版「Sybase IQ 15.3」を発表した。10月中旬の出荷開始を予定する。

 Sybase IQは、DWHに特化したデータベースソフト。DWHに最適化されたカラム指向アーキテクチャのデータ格納方式を採用しており、従来のトランザクション用データベースの10~100倍の速度を実現しているという。またデータ圧縮によって70%以上のデータ量を削減可能なほか、管理面メリットを提供できる。

 新版では、グリッド構成の多数のコンピュータに処理を分散する「PlexQ Distributed Query Platform」(以下、PlexQ)を利用可能にした点が特徴。シェアードエブリシング型の超並列処理(MPP:Massively Parallel Processing)アーキテクチャであるPlexQでは、シェアードナッシング型のMPPアーキテクチャとは異なり、Sybase IQのMPP構成内すべての論理サーバーに対してクエリ負荷を動的に管理でき、バランスを調整する。この自動負荷再調整機能を活用すると、ユーザー間のシステムリソース競合を回避できるため、クエリ処理のすべてで優れたパフォーマンスを提供できるとのこと。

 また、データの増加やクエリの複雑化に応じ、低価格なハードウェアを用いてノードを拡張していけるため、コストパフォーマンスにも優れているとのこと。さらに、物理的なサーバーノードを論理サーバーとしてグループ化し、リソースをプロビジョニングできるので、ユーザー要件の変更に柔軟に対応し、各アプリケーションがきちんとパフォーマンスを発揮するために必要なリソースを常に提供する、といった利用法が可能になるとしている。

 このほか、「Sybase IQ 15.3」では、Sybase IQのデータ抽出、ロード、変換を短時間で行える新オプション「InfoPrimer」も提供される。エディションは、「Small Business Edition」および「Enterprise Edition」に対応可能だ。

 Sybase IQの価格は従来と同様で、「Enterprise Edition」はコアあたり504万円から(税別、マルチコア・スケーリング係数適用の場合)、「Small Business Edition」はソケットあたり840万円(税別)。なおPlexQは、「Sybase IQ Multiplex Gridオプション」を導入するユーザーが利用可能になり、価格は700万円(税別)/サーバーから。

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