データコア、ストレージ階層化に対応した「SANsymphony-V」新版


 データコア・ソフトウェア株式会社(以下、データコア)は29日、ストレージ仮想化ソフトの新版「SANsymphony-V R8.1」を発表した。8月1日より出荷する。

 SANsymphony-Vは、IAサーバー上でストレージ仮想化を実現するソフト。ソフトによるストレージ仮想化であるため、汎用性・柔軟性・拡張性に優れ、ハードウェアストレージのライフサイクルや仕様などの制約を受けないのが特長。

データコアのストレージ仮想化技術。ソフトウェアで実現している点が汎用性・柔軟性・拡張性に優れる強みという機能一覧

 新版では、ストレージ階層化機能「Auto-Tiering」を搭載した。複数のストレージのLUN単位にTier(最大15階層、推奨2~3階層)を設定。仮想プール内で、I/Oの負荷に応じて、アクセス頻度の高いデータを高速デバイスに、低いデータは低速デバイスに移動する。移動は自動で行われ、移動できるデータ容量は8MB~1GBのブロック単位。

 さらに階層化された仮想プールから仮想ディスクを切り出す際に、仮想ディスクごとにプロファイルを設定することも可能。設定できるプロファイルは「Critical」「High」「Mid」「Low」「Archive」の5段階。例えば、このアプリケーションにはデータのアクセス頻度にかかわらず、Tier1に設定した高速なストレージデバイスに保存する、といった例外・強制的な処理も実現する。

Auto-Tieringによる階層化仮想ディスクに5段階のプロファイルを設定可能。「Critical」とすればアクセス頻度にかかわらず、高速デバイスのボリュームを割り当てられる

 新機能としてはこのほか、Windows PowerShellに対応した独自コマンドレットを追加した。150を超えるこれらのコマンドレットは、ストレージ運用の自動化や他製品との連携を簡単に実現するという。

 ラインアップは、最大管理物理容量に応じて、vL1(5TB)、vL2(16TB)、vL3(100TB)、vL4(256TB)、vL5(256TB以上)を用意。新版はすべてのサポート対象ライセンスに対して無償で提供される。Auto-Tieringは、vL4/vL5には標準で搭載されるが、vL1~vL3はオプションとなる。オプション価格は32万円/サーバー。

 同社では、サーバー・デスクトップ仮想化市場、災害対策・省エネ市場、クラウド市場に注力し、ディストリビュータのエム・ピー・テクノロジーズ、双日システムズ、ソフトバンク、ゴールドパートナーの住商情報システム、ほか24社のシルバーパートナーとともにチャネル販売で普及を図る。

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