日本IBM、顧客中心の賢い商取引を実現する「スマーター・コマース」


 日本IBMは1日、顧客中心のより賢い商取引を実現するビジョン「スマーター・コマース」を発表した。同ビジョンを実現するため、さまざまなソフトを活用しながら、戦略策定のコンサルティング、システム構築、運用・保守までのサービスを同日より提供する。

 昨今、多様な携帯デバイスの登場、ネット上で閲覧できる膨大な情報、ソーシャルメディアの普及などにより、消費者が大きな影響力を持って購買行動の主導権を握る時代へと変化している。そのため企業は、顧客が求める価値を迅速かつ的確に製品・サービスに反映させたビジネスを推進する必要がある。

 これを実現するため、顧客を企業活動の中心に捉え、マーケティング、販売、サービス、購買など商取引のすべてにわたって、顧客の要望に迅速かつ柔軟に対応することを目指したビジョンが「スマーター・コマース」。

 「顧客視点で変化を素早く察知した迅速かつ柔軟な対応」「実店舗、Web、モバイル、コールセンターなど複数のチャネルにまたがった業務・顧客・在庫などの統合」「モノや人に関わる情報(モノゴト)をデジタル情報として取り込んだ、デジタルと実世界(リアル)の融合」がその目指すところで、具体的にこれまでに買収してきた、「ユニカ」「コアメトリクス」「スターリングコマース」「アイログ」のソフトを活用するという。

 マーケティング領域では、販促用ソフトのユニカ、Webアナリティクスのコアメトリクスを活用し、Web上における顧客行動の把握、FacebookやTwitterを活用したソーシャルメディア・マーケティングの効果測定、マーケティング活動全体の計画、実行の自動化、予実管理といったマーケティングのライフサイクル管理を行う。

 販売領域では、「WebSphere Commerce」と企業間(B2B)データ統合ソフトのスターリングコマースを活用し、マルチチャネル販売や価格付け、カタログ管理、支払管理といったeコマースのプラットフォーム基盤を提供する。

 サービス領域では、スターリングコマースとユニカを活用し、購買分析、顧客離反の防止、反復販売の最適化、販売後の効率的な返品管理といったアフターサービスの部分を実現する。

 さらに購買領域では、スターリングコマース、アイログのサプライチェーンソリューションを活用し、企業において商品・資材の入手先となる取引先管理、サプライヤー管理、サプライチェーン管理、在庫管理、仕入れ最適化、可視化を実行し、ダイナミックに変化する顧客の要求に対応できる購入取引システムを提供する。

 これらのソフト製品に加え、IBMがグローバルに展開してきた業界向けの知見、サプライチェーンなどの豊富な経験を生かし、戦略策定のコンサルティング、システム構築、運用・保守までカバーする考え。また、「スマーター・コマース」への取り組みを迅速に開始するためのスターター・プログラムも用意する予定という。

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