「分析力」で最もイメージされる企業はトヨタ、SASとCMが発表


 SAS Institute Japan株式会社(SAS)と株式会社クロス・マーケティング(CM)は15日、ビジネスパーソンを対象に実施した共同アンケート調査に基づく「2010年 分析力に優れた企業ベスト10」を発表した。1000件のアンケート回収件数から、分析力に優れたイメージの国内企業に選ばれたのは、1位がトヨタ自動車、2位がパナソニック、3位がソニーとなった。


「分析力」で最もイメージされたのはトヨタ

分析力に優れた企業

 「成長企業と分析力に関する意識調査」として社会人(性別・年齢・役職問わず)を対象に、SASとCMが共同で11月5日~8日に実施したインターネットでのアンケート調査。

 これにより、分析力に優れたベスト10を選出した。なお、分析力に関する明確な指標は存在しないため、予備調査、本調査というプロセスで調査方法を工夫。予備調査において、「純粋想起(手がかりなしで企業名を思い浮かべてもらう)」を行い、本調査として各業種のトップ企業をあらかじめ抽出した上で「助成想起(手がかりを与えた上で認知度などを測る)」を行い、両結果を合わせて最終的な順位を決定した。

 結果は、上位からトヨタ自動車、パナソニック、ソニー、ソフトバンク、ファーストリテイリング、日本マクドナルド、シャープ、楽天、任天堂、セブン-イレブン・ジャパン。


分析力が企業成長の要に

CM セールス・マーケティングユニット 企画分析ディビジョン プランニングリサーチャーの雪嶋貴大氏

 分析力に優れた企業の条件イメージとは何であろうか。調査の結果からは「顧客ニーズをより深く知ろうとしている」が70.4%、「市場動向を熟知している」が58.2%と、「顧客ニーズや市場動向など顧客を含めた市場全般についての理解度や、その取り組みを行っていることが重要視されることが分かった」(CM セールス・マーケティングユニット 企画分析ディビジョン プランニングリサーチャーの雪嶋貴大氏)。

 また、今後企業が成長していくために必要な条件を問うと、「人材を育成する力」が17.4%、「先の状況を見越す力」が17%、「顧客満足度の高さ」が13.3%、「顧客ニーズの吸収力/把握力」が10%と上位に挙がっており、「企業成長のおいては『人材育成』『先見性』『顧客指向』が重要な条件。この傾向は、過去・将来ともに共通しており、時代を問わず重要視されていることが分かった」(同氏)。

分析力に優れた企業のイメージ今後企業が成長していくために必要な条件

 これらの結果を受け、「分析力の明確な指標はなく分析力そのものを量ることは容易ではないが、回答者の傾向としては、成長企業の実績や成果の裏づけとして分析力の高さを想起していると窺える。言い換えると、分析力は企業成長に欠かせないもので、分析力を高めていくことが結果としてそのイメージの維持・向上につながる」とし、「具体的に分析力を形作るのは、『経営者のリーダーシップ』『全社的な意識改革』『人材の能力』など多様な要素。その力を向上させていくためには、それらの構成要素それぞれを過不足なく身につけることが重要になる」とまとめた。

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