ジュニパー、4Tbpsのコアルーター「T4000」~100GbEを16基搭載


マーケティング本部 サービスプロバイダーマーケティング マネージャーの佐宗大介氏
近い将来、サービスプロバイダの収益モデルが壊れると予測。実際にサービスプロバイダの声でもあるらしい

 ジュニパーネットワークス株式会社(ジュニパー)は26日、「Junos OS」搭載の次世代コアルーター「Juniper Networks T4000(以下、T4000)」を発表した。出荷は2011年下半期からの予定。価格は間接販売のため、明らかにはされなかった。

 T4000は、11月15日に米国で発表された、高いポート密度で240Gbps/スロットを実現するIP/MPLSルーター。モジュール単体で10Gigabit Ethernet(GbE)×12ポート、100GbE×1ポート、40GbE×2ポートを搭載。ハーフラックサイズのシングルシャーシ全体では10GbE×192ポート、100GbE×16ポート、40GbE×48ポート、合計4Tbpsのパケット転送容量を実現する。ラックあたりでは8Tbps。「大容量ながら非常にコンパクトなのが特長だ」(マーケティング本部 サービスプロバイダーマーケティング マネージャーの佐宗大介氏)。

 佐宗氏は「昨今、モバイルデータ量は増え続け、2014年には3200PBを超えると予想される。インターネットトラフィックでは動画の割合が拡大するため、安定した接続性を提供するには、T4000のような大容量ネットワークコアが不可欠となる。ただ、一般的にこのような大規模な製品への投資はサービスプロバイダにとっては悩みの種で、現状のビジネスモデルでは、そう遠くない将来に収益よりも投資が大きくなってしまう」と問題提起。

T4000の概要。従来通りのハーフラックサイズでありながら、スロットあたり240Gbps、シャーシあたりでは4Tbpsを実現する100GbE×16ポート搭載可能

 T4000では、超省電力な設計により従来比3倍以上の電力改善を行うなど、経済性のメリットにも触れ、「従来は『Experience』と『Economics』のトレードオフの中で、サービスプロバイダはビジネスを展開してきたが、今後は『OR』ではなく『AND』の価値を提供する」(同氏)とした。

 具体的な用途としては、企業内コラボレーション、モバイル電話会議、クラウド、研究用などを想定。サービスプロバイダの次世代ビジネスモデルを支援し、サービスプロバイダのバックボーンと世界中の主要ピアリングを構築・最適化する考え。

 なお、シャーシは従来製品と共通のものを使用。このため、既存の「T640」「T1600」コアルーターを、サービス停止や顧客側インターフェイスの変更を行うことなく、T4000へアップグレードが可能となっている。「従来の投資保護の取り組みを、T4000でも変わらず継承する」(同氏)としている。

3倍以上の電力改善シャーシは従来機種と共通。システム停止することなくアップグレードが可能
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