2014年のクラウドサービス市場は1534億円、2009年比4.9倍に-IDC Japan予測


国内クラウドサービス市場 セグメント別売上額予測、2009年~2014年(出典:IDC Japan)

 IDC Japan株式会社は28日、国内クラウドサービス市場予測を発表した。それによると、2010年の国内クラウドサービス市場は、前年比41.9%増の443億円規模になる見込み。同市場はその後も拡大を続け、2014年の同市場規模は、2009年比で4.9倍の1534億円になると予測している。

 IDC Japanでは、クラウドサービスが各メディアで取り上げられる機会が増え、認知が高まっているほか、実際に多様なクラウドサービスが提供され始めていること、導入事例が多く発表されるようになったことから、ユーザーにとってのクラウドサービスは、具体的に導入を検討すべき課題となっている点を指摘。こうした点を背景として、2010年の国内クラウドサービス市場は大きく成長する見込みとする。

 また一方で、これまでとなえられていたクラウド万能説に替わり、現在は「クラウドの適材適所」を訴求する事業者が増加。これを受けて、ユーザー企業のクラウドに対する理解が深まり、クラウドサービスの利用を促進する背景になっているとした。

 市場全体では、今後も高い成長を続ける見込みで、2009年~2014年の年間平均成長率は37.5%、2014年の市場規模は1534億円になるとIDC Japanは予測している。

 なお、IDC Japan ITサービスグループ リサーチマネージャーの松本聡氏は、「クラウドサービスは煩雑な手続きを必要とせず、ユーザーが容易にサービスを利用する『セルフサービス』が特長の1つ。セルフサービスは事業者の販売管理費を削減するとともに、ユーザーの利便性を向上するが、対面販売に慣れたユーザー企業が多く、セルフサービスはクラウドサービス利用の障壁ともなっている。事業者は、セルフサービスの利用を促す施策を強化する必要がある。また、同施策はサービスの優位性を訴求する良い機会だ」とコメントしている。

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(石井 一志)
2010/9/29 06:00