NEC、オフィスソリューションをクラウドサービスで提供

販売パートナーとの連携を強化して拡販


執行役員常務の山元正人氏

 日本電気株式会社(以下、NEC)は16日、オフィスソリューションをクラウドサービスで提供する「UNIVERGE Live」を新たに製品化し、本日より販売開始したと発表した。

 新サービスは、メールや電話、グループウェア、Web会議、セキュリティ管理などオフィスのICT環境をNECのデータセンターを利用し、クラウドサービスとして提供するもの。これにより、サーバーやネットワーク機器、ソフトウェアなどを自社で所有しなくても最新のオフィス機能が利用可能となり、システム運用やオフィスのセキュリティ管理などの負担を軽減しつつ、ワークスタイル革新を実現できる。

 執行役員常務の山元正人氏は、「プラットフォーム事業では、中期事業戦略の中で、ITとネットワークそれぞれの強みを融合し、ICTプラットフォームのグローバルプロバイダを目指している。その中核となる取り組みが『C&Cオフィス』だ。『C&Cオフィス』では、クラウドサービスとネットワークサービスを既存のオフィスソリューションに融合し、ワークプレースで働く人を支援することを目的としており、今回その一環として、UNIVERGEのラインアップを拡大し、ワークプレースがもつ機能をクラウドサービスで提供するWaaS(Workplace as a Service)を展開する」と、新サービスの狙いを説明する。

C&Cオフィスの特長オフィス・現場をサービス化するWaaS
UNIVERGEの新たなラインアップ

 「UNIVERGE Live」の具体的なサービス内容としては、メール、ホームページ、ストレージなどのオフィスの運用支援を目的とした「UNIVERGE Live エッセンシャル」、グループウェア、在籍管理、Web会議など社内外のコミュニケーション強化を目的とした「同 フュージョン」、ファイアウォール、Webフィルタリング、アンチウイルスなどの堅牢なセキュリティを提供する「同 シェルター」の3つのサービスパックを用意しており、顧客は自社の課題やニーズに合わせて選択することができる。販売価格は「UNIVERGE Live エッセンシャル」で月額800円/ユーザー(税別)から。出荷開始は2011年1月を予定している。

 また、このクラウドサービスに加え、「UNIVERGE ネットワークサービス」および「UNIVERGEオフィスソリューションパック」もあわせて製品化した。

UNIVERGE ネットワークサービスUNIVERGE オフィスソリューションパック

 「UNIVERGE ネットワークサービス」は、顧客の拠点間や「UNIVERGE Live」との接続に必要な適切なネットワークを提供するサービス。これによって、最適なネットワークを短期間で容易に構築できる。販売価格は、月額2万4600円(税別)から。出荷開始は10月の予定。

 「UNIVERGE オフィスソリューションパック」は、NECがこれまで、ブロードバンドソリューションセンター(品川、関西)で実践してきた各種ソリューション群を仮想アプライアンス化して提供するもの。既存システムの有効活用やセキュリティに対する考え方などから、オフィスのICT環境を自社内のシステムで運用したいと考える顧客に最適なサービスとなっている。販売価格は、248万円(税別)から。10月から出荷開始する予定。

 同社では、「今回発表したC&Cオフィスの新サービス提供によって、プラットフォーム事業のさらなる拡大を目指す。2009年度は、プラットフォーム事業全体で3737億円の売上高だったが、2012年度には4100億円を見込んでいる」(山元氏)という。

執行役員の保坂岳深氏

 特に新サービスについては、自社による販売だけでなく、販売パートナーとの連携を強化して拡販展開を図っていく考え。パートナー施策について、執行役員の保坂岳深氏は、「パートナーのサービス販売を支援するためのSaaS基盤を構築し、パートナー向けポータルサイトを提供する。このサイトから、顧客のサービス契約状況やサービス稼働状況、課金情報などを一元管理できるようにする。また、同ポータルサイトを利用して、アプリケーションパートナーのサービス連携やシングルサインオン機能、課金情報の一本化などを実現していく」としている。

 さらに、グローバル展開も視野に入れており、「C&Cオフィスで、プラットフォーム事業のグローバル化を加速していく。現地法人を通じて販売パートナーを支援し、各地域のサービスプロバイダとも連携しながら地域のニーズに合ったオフィス向けソリューションを展開していく」(保坂氏)という。

 保坂氏は、「今回のUNIVERGE Liveのラインアップ拡充、パートナーとの連携強化、そしてグローバル事業の拡大によって、2012年度にはC&Cオフィスの事業だけで200億円の売上高を目指す」と意欲を見せた。

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(唐沢 正和)
2010/9/17 06:00