米VMware、「IT as a Service」の実現に向けた戦略、製品を発表


 米VMwareは30日(米国時間)、米国サンフランシスコで開催されている「VMworld 2010」において、「IT as a Service」への移行をサポートする戦略、ならびにそれを実現するための製品を発表した。

 「IT as a Service」とは、運用効率、競争力、対応スピードの改善を目的とし、ITをさらにビジネス向けに最適化したアプローチ。これを実現するために、最新のデータセンターを最適化する「クラウド・インフラ」、クラウドに特化したアプリケーション開発を支援する「Cloud Application Platform」、デバイスではなくエンドユーザーが主体となる「エンドユーザー・コンピューティング」の3つの分野で、製品を提供するという。

 クラウド・インフラは、エンタープライズITを管理している物理的な境界がなくなることが特徴で、企業内データセンターと、社外またはパブリッククラウドプロバイダから提供されるリソースによって、論理プールを構成し、ユーザーに対してリソースをオンデマンドに提供できるようにする。製品としては、プールした仮想化リソースを管理・運用するための「VMware vCloud Director」、セキュリティを強化するための「VMware vShield」3製品、「VMware vCloud Datacenter Services」などを提供する。

 2つ目のCloud Application Platformは、開発者の効率性の改善と、アプリケーションのポータビリティを保証するアプリケーションフレームワーク、実装・展開の迅速化および最適化を可能にする包括的な統合型アプリケーションサービスによって構成される。また、このモデルで構築されたアプリケーションは、異種クラウド環境間での移動が可能になるほか、例えばVMware Clouds環境にて運用されている場合、アプリケーションパフォーマンス、サービス品質、インフラ使用率の最大化のため、基本となるインフラとインテリジェントに情報を共有するという。この分野の製品としては、「VMware vFabric」を提供する。

 最後のエンドユーザー・コンピューティングでは、場所、時間、デバイスの種類を問わず、ユーザーの必要に応じて、アプリケーションやデータへのセキュアなアクセスを提供できるようにすることが目的。そのための製品としては、仮想デスクトップの「VMware View 4.5」などを提供する。

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(石井 一志)
2010/9/1 13:00