MS、ITによる地域医療連携を推進-立川病院がソリューション導入
立川病院 システム構成図 |
立川病院 地域医療連携システム画面イメージ |
マイクロソフト株式会社は13日、ITを活用した「地域医療連携ソリューション」の推進を加速すると発表した。
厚生労働省の策定した「地域医療再生計画」では、医師不足などに伴い、地域の病院、診療所、開業医などの医療機関を連携させた医療サービスが求められている。また、医療機関では患者の症状に応じた適切で迅速な治療が求められており、地域の医療機関が相互に連携する際に、診断画像などの診療情報を共有する手段として、ITが有効とされている。
マイクロソフトが提供する地域医療連携ソリューションは、同社の汎用的な技術を活用し、複数の医療機関での情報共有を促進するもの。Windowsの標準機能やWebブラウザを使ってインターネット経由で、放射線画像や検体検査などの集約・共有を実現する。共有時にPC端末に情報を残さないため、強固なセキュリティを確保できるほか、今後クラウドへ移行する際も容易に対応できるのも特長。
2010年までに30機関への導入が目標で、その第1弾として、国家公務員共済組合連合会立川病院(以下、立川病院)での運用が開始された。
立川病院は、セキュリティを確保しつつ、連携先の医療機関に紹介患者の情報をいち早く提供する仕組みとして、同ソリューションを採用。従来、連携先の医療機関へ紙や電子媒体で行っていた情報提供を自動化する。これにより、平均3~4日、複数検査の場合は約3週間かかっていた紹介患者の情報提供を、1日に短縮。連携する医療機関側では、初期投資やサービス使用料を払わずとも、インターネット上で紹介患者の情報を参照できる。
採用されたソリューションは、医事会計システム、放射線画像システム、検体検査システム、紹介患者システムなどの連携。Windows Server 2008、SharePoint Server 2007、SQL Server 2008、BizTalk Server 2009、Intelligent Application Gateway 2007、Silverlight 3.0などで構成され、JFEシステムズ、ストローハット、東芝メディカルシステムズが構築を担当した。
立川病院では、同ソリューションで2010年内に20機関、2012年内に60~100機関との連携を実現し、北多摩地域での効果的な地域医療連携の発展を目指すとしている。