米Microsoft、Windows 7とWindows Server 2008 R2のSP1ベータ版公開


 米Microsoftは12日、Windows 7 SP1ベータ版と、Windows Server 2008 R2 SP1ベータ版を公開した。

 Windows 7 SP1ベータ版には新機能が含まれない。またWindows Server 2008 R2 SP1には、仮想デスクトップを改良する重要な新機能が含まれる。

 両者のSP1ベータ版は、いずれもアーリーリリースであり、一般ユーザー向けではないことに注意が必要だ。一般ユーザー向けには、2011年前半に提供を開始する予定だ。今回公開されたアーリーリリースのベータ版をテストする専門家向けには、新機能の詳細や、ドキュメントが用意されている。

 Windows 7 SP1には、これまでにWindows Updateを通して既に提供されているアップデートに加え、顧客やパートナー企業からのフィードバックに基づく追加的なホットフィックスがまとめられている。

 Windows Server 2008 R2 SP1ベータには、仮想化機能に重要な2つの新機能が盛り込まれた。

 1つ目は「Dynamic Memory」だ。これは、物理ホスト上のメモリーを、その上で動作している仮想マシンにダイナミックに配分できる機能だ。これにより、稼働している仮想マシンの使用メモリーと負荷の増減に対応し、Hyper-V管理者がサービスを停止することなく、適切にメモリー配分を増減できる。

 2つ目の新機能は「RemoteFX」だ。これは、Serverにホスティングされている仮想デスクトップとセッションベースデスクトップに対して、フルモーション動画、Silverlight等のグラフィックス、3Dグラフィックス等のスクリーンコンテンツを提供できるようにする。

 スクリーンコンテンツはサーバーサイドで生成されデスクトップに提供されるため、標準的なデスクトップPC、ノートPC、またシンクライアントに対しても、高度なグラフィックスを提供できる。また、ローカルクライアントのUSBポートを仮想マシンに転送することも可能だ。

 今回の発表に合わせ、MicrosoftはWindows 7のダウングレード権を含むライセンス条項を改善すると発表した。

 これまでの規定では、Windows 7 ProfessionalまたはWindows 7 UltimateエディションをプリインストールしているPCの利用者は、WindowsXP Professionalまたは対応するWindows Vistaのバージョンにダウングレートできる権利がある。この権利は、購入から18カ月以内、またはSP1公開までに行使できるとされていた。

 SP1が公開間近となった今、企業はPCの購入時期によっては、Windows 7とダウングレードしたWindows XPやVista双方をサポートしなければならないことに負担を感じている。

 そのためMicrosoftでは方針を変更し、Windows 7 SP1提供によるダウングレード権の消滅をなくすことにした。これにより、企業はダウングレード権行使と共に、Windows 7への移行計画を立てやすくなるとしている。

 これに関連して、企業がWindows導入を管理しやすくするため、OS販売ライセンスの方針を明示することにした。今後は、新OSが発売されてから1年以内は、小売業者は前OSのボックスバージョンを販売できる。またOEMについては、2年間は前OSをプリインストールして出荷できる。

 Windows 7にこれを適用すれば、Windows 7は2009年10月20日に出荷されたため、小売業者は2010年10月22日まで、Windows Vistaのボックスバージョンを販売できる。OEMは、Windows VistaがプリインストールされたPCを2011年10月20日まで出荷できることになる。

 あわせて、MicrosoftはWindows XPのサポート期限にも重ねて注意を喚起。2010年7月13日(米国時間、日本では7月14日)にWindows XP SP2はサポート終了する。Windows XP SP3については、2014年4月までサポートが継続される。

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