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システムインテグレータと富士ソフト、中堅・大企業向けクラウドERP「BizSaaS」を共同開発へ

新会社「株式会社BizSaaS」を設立、2026年11月の提供開始を目指す

 株式会社システムインテグレータと富士ソフト株式会社は10日、共同で「株式会社BizSaaS」を設立し、中堅・大企業を主な対象としたクラウドERP「BizSaaS」の製品開発を本格的に開始すると発表した。

 「BizSaaS」は、中堅・大企業を主な対象としたクラウドネイティブなERPで、システムインテグレータが独自に開発した業務専用ノーコード開発基盤「BizCodeless」を中核に据えている点が特徴。その基盤上に、業界・業種ごとの実務に即した業務アプリケーションを構築・展開するという。

 システムインテグレータは従前からこの「BizSaaS」の開発を進めてきたが、製品の中核機能が整ったことから、事業化に向けて富士ソフトと連携し、共同出資による新会社を設立して、本格的な製品開発を開始するとした。

 一方の富士ソフトはこれまで、ERPソリューション「GRANDIT」の提案・導入支援をはじめ、基幹業務分野においても業務系システム開発を展開してきたが、今回、これまで培ってきた技術力やノウハウを生かして「BizSaaS」の開発に参画。基幹業務分野のSI事業拡大に寄与する。

 なお、両社で開発する「BizSaaS」は、フルマネージドなクラウド環境とサーバーレスアーキテクチャを採用しており、高い拡張性・可用性・セキュリティを兼ね備えた製品としての提供を目指しているとのこと。さらに、個別カスタマイズに頼らず、ユーザーの要望を標準機能として汎用化し製品に取り込む点も特徴で、全ユーザーが常に最新版を利用でき、業界・業種ごとのニーズにも柔軟に対応可能な拡張性の実現を目指すとしている。

 また、この基盤である「BizCodeless」は、赤黒処理、伝票採番、業務通知、添付ファイル、ワークフロー、通知など、業務ERPに不可欠な機能を標準部品として搭載しており、業務に必要な機能だけに絞込むことで、学習コストを抑えながら高い開発生産性を実現できるとした。

 BizSaaS社では、2025年11月にノーコード開発基盤の「BizCodeless」を先行してリリースし、「BizSaaS」は2026年11月の提供開始を目指して開発を進める予定。なおBizSaaS社の出資比率は、富士ソフトが51%、システムインテグレータが39%で、システムインテグレータの会長である梅田弘之氏も10%を出資する。代表取締役社長は梅田氏が兼務する予定だ。

BizSaaSのレイヤー構造(3階層)