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学びの可視化からテスト作成まで――立命館とNTT西日本の教育向け生成AIで進む学習現場でのDX
2026年9月16日 06:00
学校法人立命館とNTT西日本株式会社は14日、共同開発した教育向け生成AI「Education AI Platform」について説明会を開催した。同プラットフォームは、両者が2025年8月に共同開発の開始と活用推進を発表していたもので、今回の説明会ではその進捗と具体的な活用例が示された。
説明にあたった立命館大学 教学部 次長の柴田直人氏はまず、今回の取り組みが立命館の中期計画「学園ビジョンR2030」における教育DX推進の一環であることを強調。その中でEducation AI Platformは、生成AI活用環境のひとつに位置づけられるとした。
システム基盤としては、さまざまなデータが集約される「立命館データプラットフォーム(RDP)」を用意。RDPと生成AI環境を連携させることで、立命館独自の知見を備えたAIが整備できるほか、プラットフォーム共通のガードレールを設けることで、利用者が安全に使える環境も整備したという。
柴田氏は、Education AI Platformの活用テーマを5つに整理して紹介した。それは、1)日々の学びや気づきを可視化し、成長を促すAIアドバイジング、2)学習履歴や興味関心に基づいて授業選択を支援するAIコンシェルジュ、3)電子書籍や学修管理システムと連携した小テスト作成エージェント、4)教学IRデータなどを分析し教育内容に生かす解析AIエージェント、5)2026年度に開発に着手した、学生と学習の見える化を推進するポートフォリオだ。
柴田氏は同プラットフォームについて、「複数のAIエージェントを開発して連携させることでテーマに沿った機能を提供している。教育に関わるさまざまな環境を単一プラットフォームで整備しているのが特徴だ」と述べている。
AIアドバイジングにおいては、日々の学びや気づきを可視化するためのチャットボット「日々の振り返りアプリ」をすでに実装、2026年度には利用拡大を計画している。また、授業を振り返るアプリも2025年度秋学期の正課授業1科目にて活用し、2026年度春学期も継続して活用しているという。
AIコンシェルジュは、2026年度春学期にデザイン・アート学部の新入生が、教養教育科目履修登録時に利用した。2026年度秋学期もブラッシュアップしたうえで継続活用する予定で、2027年度は複数学部での利用を計画している。
小テスト作成エージェントは、2027年度の実施に向けて実装環境を整備済みだ。また、教学IRデータ解析AIエージェントは、自己点検や評価でAIを活用する教学マネジメントの実装と運用を開始。次期認証評価を見据えて自己点検の検証項目や評価観点を精査し、さらなるバージョンアップを予定しているという。
日々の振り返りアプリについては、今年3月に84人を対象に実証実験を実施。利用者のアンケートによると、振り返りのきっかけ作りや思考の整理に関して約8~9割の学生から高い評価を得ており、AIだからこそプライバシーを気にせず安心して対話できるというメリットも示された。一方、成長の実感や次の一歩を踏み出す行動変革については課題も残り、「今後は教員や友人といった人とのコミュニティを組み合わせたアプローチが必要だろう」と柴田氏は分析している。
この振り返りアプリは、2026年度秋学期の活用計画も進んでおり、「61人が参加する海外留学プログラムや、約2500人が受講する英語教育プログラムにおける利用環境も整った」と柴田氏。その他の機能についても、匿名化された学びのエピソードを他者の成長のマイルストーンとして参照できる仕組みや、ラーニングマネジメントシステムとの連携による授業外学習の強化などを予定しているほか、卒業生を含む多様なステークホルダーへのサービス展開も見据え、教育デジタルコンテンツの整備も並行して進めているという。




