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富士通、AI時代のサイバー防衛能力を継続的に進化させるサイバーセキュリティ戦略を策定
2026年8月28日 06:00
富士通株式会社は26日、生成AIの進化や企業システムの複雑化に対応し、企業のサイバー防衛能力を継続的に進化させるサイバーセキュリティ戦略を策定したと発表した。同戦略では、サイバーセキュリティをITシステム構築後の運用対策としてではなく、戦略立案、設計・開発、実装、運用、評価、改善までを一体的に捉えるサイバー防衛ライフサイクルとして実践する。
富士通はこの戦略のもと、企業全体のサイバー防衛能力を構築・運用・改善するための考え方を体系化したサイバー防衛運用モデルと、その実践的な枠組みとなるサイバー防衛フレームワークを定義した。
サイバー防衛運用モデルは、4つのサブモデルを通じて、防衛対象、防御思想、防衛責任、防御レベルを体系的に整理し、対策の優先順位や必要となる投資を明確化することで、企業の防衛能力とサイバーレジリエンスの継続的な向上を支援する。
企業として守るべき対象を定義する「Fujitsu Cyber Defense Domain Model」では、守る対象を機器の種類ではなく業務上の役割に基づいて捉え、IT領域に加え、監視カメラや医療設備などの物理領域を含む企業全体の防衛対象を定義する。
防御の基本思想を定義する「Fujitsu Cyber Defense Philosophy Model」では、攻撃を完全に防ぐことだけを目的とせず、攻撃者の行動を遅らせて防御側に時間的優位を生み出し、観測によって追加対策の実施などにつなげる「減速防御」の考え方を取り入れる。
企業を取り巻く関係性からサイバー防衛を定義する「Fujitsu Cyber Defense Relationship Model」では、グループ会社やパートナー企業との関係性に応じて防衛責任や防御範囲を設計し、サプライチェーン全体のサイバーレジリエンス向上を目指す。
防御レベルを定義する「Fujitsu Cyber Defense Proximity Model」では、攻撃者の目的達成との距離に応じて必要な防衛活動を整理し、企業が目指すべき防御レベルやセキュリティ対策投資の優先順位を明確化する。
このサイバー防衛運用モデルを実践するために、構築・運用・継続的改善を通じて実効性を高め続けるための実践的な枠組みであるサイバー防衛フレームワークを定義している。これにより、企業のサイバー防衛をITシステム構築後の運用対策だけでなく、戦略立案、設計・開発段階から運用、改善までを含めたサイバー防衛ライフサイクルとして実践することが可能になる。さらに、高性能AIを活用した脆弱性診断および「Project YATA-Shield」(2026年5月に日本政府が発表した、AIの進化に対応する国家的AIサイバー防衛パッケージ)への貢献なども目指す。
また、サイバー防衛フレームワークを実行する中で得られるデータから脅威やリスクを感知し、観測・分析結果を可視化することで、個々の防衛活動を方向付け、現場の自律的な実行サイクルを促すための仕組みとして「Cyber Nerve System」を構築する。
富士通は、サイバーセキュリティ戦略の中核となるバーチャル組織「Cyber Security Nerve Center(以下、Nerve Center)」を設立する。Nerve Centerは、Cyber Nerve Systemから得られる客観的な評価やエビデンスに基づき、経営陣への報告・提言をすることで意思決定の支援を行う。カスタマーゼロとしての実践や、顧客支援を通じて培った知見を集約するだけでなく、市場や脅威、技術の動向を踏まえて、サイバーセキュリティ戦略を横断的に推進する。
さらに、必要に応じて新たなプロダクトや機能を開発し、自社環境で実効性を検証した上で、コンサルティング、高性能AIを活用した脆弱性診断、AI脅威ハンティング、AIレッドチームオペレーションなどの高度な防御機能として顧客に展開する。
また、富士通のセキュリティマイスターを通じて、サイバーセキュリティ人材の育成を推進する。Nerve Centerで蓄積された実践知や最新の脅威分析結果、実際の防衛活動から得られた知見を教育プログラムへ継続的に反映することで、社内ホワイトハッカーやセキュリティアーキテクトなどの高度専門人材を育成し、AI時代のサイバー防衛を担う人材基盤を強化する。
富士通は今後、Nerve Centerを中核組織として、AI時代に即した企業のサイバーセキュリティ戦略を推進する。同戦略のもと、実践知を生かしたコンサルティングやシステム構築・運用サービス、AI活用型防衛サービスを段階的に提供することで、顧客のサイバーレジリエンス向上に貢献する。
さらに、高度監視・自動対処やAIエージェントによる顧客環境への実装支援などのサービスやソリューションを拡充するとともに、大規模言語モデル「Takane」を含む自社技術との融合により、企業やサプライチェーン全体を支える次世代サイバー防衛基盤へ発展させていくとしている。
