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日立、鉄道・電力・通信など社会インフラ現場の障害対応を支援する現場状況共有システムを開発
2026年8月27日 08:30
株式会社日立製作所(以下、日立)は26日、鉄道・電力・通信などの社会インフラ現場における障害発生時の状況把握と情報連携の迅速化に向け、現場状況共有システムのプロトタイプを開発したと発表した。今後、顧客との効果検証を実施した上で、2027年度中の提供開始を目指す。
安全確保に関する判断や措置は、各事業者が定める運用・保安ルールに基づいて行われる。同システムは、設備障害・事象の発生後における関係者間の円滑な情報共有と共通状況認識の形成を支援し、安定的な社会インフラ運営に貢献するとしている。
日立は開発の背景として、社会インフラ現場では、鉄道の信号や踏切、電力や通信の設備などで障害が発生した際、利用者や社会への影響を最小限に抑えるため、迅速な対応が求められると説明する。しかし、設備の状態や対応状況に関する情報は、電話・口頭・チャットなど複数の手段で共有されるほか、ホワイトボードへの手書き管理に依存するケースも多いため、情報が分散しやすくなっているという。
その結果、障害対応の経過や障害発生箇所、現場作業者の状況を一元的に把握することが難しく、指令所に状況確認の問い合わせが集中するなど、迅速な情報共有や判断の妨げとなっている。また、対応後も経緯や判断材料が体系的に残らず、振り返りや再発防止に活用しにくいほか、個人の経験に依存したノウハウが暗黙知となりやすく、組織で共有・継承しにくい状況にある。
日立はこうした課題の解決に向け、新たな事業創生をリードする戦略SIBビジネスユニットの支援のもと、鉄道・電力・通信をはじめとする社会インフラ分野で培った指令業務における運用知見や情報管理ノウハウを活用し、システムのプロトタイプを開発した。
開発したシステムは、社会インフラ現場で発生した設備障害・事象を起点に、各所に分散する関連情報を統合し、対応状況を示すタイムラインと、GISを活用して障害発生箇所や現場作業者などの動きを表示する地図を一つの画面で連携表示する。これにより、「いつ・どこで・何が起き、どのように対応が進んでいるか」を、時間軸と場所軸の両面から直感的に把握できる。
現場作業者は、スマートフォンからテキスト・画像・動画に加え、音声でも状況を報告できる。入力された情報から、AIが「いつ・どこで・何が起きたか」「どの設備に関する情報か」といった要素を自動で抽出する。不足情報は既報内容などを踏まえて補完し、種別・設備・場所・日時などの項目に構造化した上で、関連事象にひも付けて管理する。これにより、断片的な報告や情報が増えた場合でも最新状況を把握しやすくなり、状況確認の問い合わせを削減するとともに、迅速な判断・対応を支援する。
さらに、生成AIを活用して、タイムライン上に蓄積された対応経過の要約や報告書を自動で作成する。これにより、従来は手作業で行っていた対応後の情報整理や報告書作成の業務を効率化し、担当者の負担軽減を支援する。
また、タイムラインで蓄積された情報は履歴として管理され、過去事例の検索・参照に活用できる。これまで属人的だったノウハウを、組織の知見として蓄積・再活用できるようになるため、対応の振り返りや再発防止に役立てられる。
日立は、2026年度中に実施予定の鉄道事業者との効果検証を通じて、現場運用への適合と機能の高度化を進め、2027年度中の提供開始を目指す。また、並行して、AIによる関連図面・情報の検索や、設備情報との連携による状況認識精度の向上など、顧客のニーズを踏まえた機能強化を継続する。合わせて、電力・通信などの他分野への展開も視野に、現場運用の効率化と安定的な社会インフラ運営に貢献するとしている。

