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ミライト・ワン、デルタ電子のLTA CDUを搭載した一次冷却水不要の水冷コンテナデータセンターを公開

 ミライト・ワンは7月3日、デルタ電子のLTA(Liquid-to-Air) CDUを搭載した水冷サーバー用コンテナ型データセンターの検証施設を、新木場ビルの敷地内に設置した。この水冷コンテナデータセンターは、設備設計の検証後、IOWN技術を活用したエンドユーザー向け実証設備として、2026年9月以降に運用開始を目指している。また、コンテナデータセンター自体の販売も予定しており、地方のグリーン電力での利用を想定して、大容量蓄電池や非常用電源を組み合わせたパッケージも検討しているという。

コンテナ型データセンター外観

水冷コンテナデータセンターの特徴

 コンテナは一般的な20フィートコンテナで、最大の特徴は全体のコンパクトさにある。

 通常、水冷サーバーのためにはコールドプレートでGPUを冷やすための二次冷却水(クーラント)と、クーラントを冷やすための一次冷却水が必要になる。コンテナ型データセンターの場合も、サーバーとCDU(クーラントを冷やすための熱交換器)の他に、一次冷却水のための設備が必要になるため、コンテナのスペースだけで運用するのは難しい。ポンプといった設備を作るなら、コンテナはある程度の数を設置しないとコスト効率が悪い。

 しかしミライト・ワンのコンテナデータセンターは、In-Row空調機でコンテナ内を冷やし、LTA CDU(AALCサイドカー)でクーラントを冷却するため、一次冷却水が不要だ。コンテナ以外には、空調室外機があればよい。

 AALC(Air-Assisted Liquid Cooling)は、チップの発熱で暖まったクーラントを、内部のラジエーターとファンによりサーバールームの空気と熱交換して冷却し、サーバーに戻す仕組み。従来型の空冷機器用データセンターに水冷サーバーを入れる場合に使われる。

 室外機は、スペースに余裕があれば脇に置くことができ、コンテナの上に設置すればコンテナ自体の設置面積しか必要ない。専用に電源を引く場合は受電設備のキュービクルが必要だが、例えば工場や社屋から電源を取れるなら、駐車場3台分のスペースがあれば運用可能になる。

 また、空調機の配管以外は、ほぼプレファブリックで導入できる。「電源調達を別にすれば、最短6カ月で設置できる」と宮﨑達三氏(ミライト・ワン専務執行役員 みらいビジネス推進本部長)は離す。

宮﨑達三氏(ミライト・ワン専務執行役員 みらいビジネス推進本部長)

検証用コンテナの概要

 コンテナ内部は、手前に水冷サーバーのMGXラック、LTA CDU、In-Row空調機が並んでいる。現状、MGXラックにはNVIDIA B200搭載の4Uサーバーが1台、ラック下部にはUPSが配置されている。

コンテナ内部

 一次冷却水が不要なので、冷却水の配管はMGXラックとLTA CDUの間のみ。施工の難易度が低く、ミスや運用開始後の事故のリスクが減る。

背面ホットアイル側

 背面側はホットアイルコンテインメントされ、その先に管理用サーバーやネットワーク機器といった空冷機器用のラックがある。そちら側にもIn-Row空調機が2台設置されており、合計3台の空調機が稼働している。冷却性能は、LTA CDUが80kW、In-Row空調が30kW×3となる。

液冷コンテナの設計基準への関与を目指す

 ミライト・ワンでは、モルゲンロットと共同で、新木場ビル内に「MM先進イノベーションラボ」を設置している。MMは、MIRAITO ONEとMORGENROTの頭文字だ。

 ラボでは、水冷サーバーに最適化されたコンテナ型データセンター設計や空冷/水冷の最適配置に関する検討・検証を行っており、今回の水冷コンテナデータセンターもその検証の一環となる。その他、品質・生産性向上の研究や、AI開発環境整備、IOWN APNを使った分散データセンター接続、集約技術検証なども行っている。

 また、コンテナ型データセンターは昨今世界的に利用が広がっているが、まだ標準化された設計基準がない。ミライト・ワンでは、このラボでの研究を通して、設計基準の策定にも関与したい考えだ。