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富士通、AIエージェントを標準搭載する中堅向けERPソリューション「GLOVIA One」を提供

 富士通株式会社は20日、ERPソリューション「GLOVIA」のラインアップを統合し、会計、人事給与、販売、生産の4つの領域を「GLOVIA One」として、4月22日から順次、提供開始すると発表した。

 GLOVIA Oneは、主に年間売り上げ約30億円から1000億円規模の日本企業を対象として、日本特有の業務プロセスや商習慣、法制度、および将来のビジネス成長や変化に柔軟に対応し、段階的に進化できる基幹業務ERPソリューション。また、AIエージェントによりデータを統合して可視化する機能を提供し、人の意思決定を支援する。

 富士通では、日本の中堅企業の多くが、人材不足やデジタル格差などの課題に直面していると説明。こうした状況に対し、社会課題を起点とする事業モデル「Uvance」のもと、ビジネスの環境変化とそれに対応した経営の高度化を行い、ビジネスの成長を支援する経営基盤としてAI時代のERPソリューション「GLOVIA One」を展開していくとしている。

 GLOVIA Oneは、クラウドを介してマルチテナント構成で提供するほか、APIで他社ソリューションと容易に連携するアーキテクチャに変更したことで、アドオン開発を最低限に抑えつつ、特定のベンダーやサービスに依存せずに最適なソリューションを選択可能にする。また、変化の速いビジネス環境に柔軟に対応できる基盤として、Uvanceを支える共通プラットフォーム「Uvance Platform」上で稼働させることで、高いセキュリティと安定した運用管理の効率化を実現する。

 GLOVIA Oneは、3つのコンセプト「INSIGHT」「FIT TO JAPAN」「PARTNERSHIP」を軸に、現場の変化と経営の高度化が循環し、さまざまな企業が起こすイノベーションを継続して取り込むことで進化が続く状態である“共進化”を実現していくとしている。

 「INSIGHT」は、次の一手を導く、経営と現場の判断力として、会計、人事給与、販売、生産やその他の連携する業務データを一カ所に集約し(データレイク)、AIによるデータの統合と可視化を行う。また今後、業務データを多面的に分析し、意思決定を支援するAIエージェントであるChat BI機能を提供する。Chat BIは、分析だけでなく、聞けば答える、示唆を返す存在として、 判断に必要な情報や影響、選択肢を、その場で提示する。

 「FIT TO JAPAN」は、日本企業の現場で進化し続けるERPとして、Fit to Standardによる業務の画一化ではなく、Clean Core(ERPのコア部分を改修せずに維持する思想)を前提に、日本企業の現場で培われてきたさまざまな改善や工夫、業務知見を、製品の標準機能と共存させる思想を採用している。

 既存の「GLOVIA SUMMIT」「GLOVIA iZ」「GLOVIA きらら」のラインアップを統合するとともに、業務ルール・設計思想・設定手順を標準化・言語化する。その上で、標準機能を保ち、その後のアップグレードや機能の更新を自動化するアーキテクチャを実現することで、顧客業務に最適な機能を提供し、業務変更が強要されないことを目指す。

 また、富士通におけるGLOVIA Oneの開発・導入・保守のオペレーションにAIエージェントを組み込み、標準機能を速く、頻繁にリリースし続けることで、日本特有の商習慣や税制改正に、運用を止めることなく対応する。

 「PARTNERSHIP」は、つながりによって生まれる持続的成長として、GLOVIA Oneにおけるパートナーシップを通じて、業界・業務の知見をAIエージェントや機能としてエコシステム全体で実装し、その価値をコミュニティで共有、展開、蓄積していく。

 機能・データ・外部サービスをAPIで組み合わせるコンポーザブルなアーキテクチャをオープンに共有し、業務文脈を理解したAIエージェントが判断から実行までをつなぎ、顧客ごとに最適化された業務プロセスを自律的に動かす。こうした共創の積み重ねにより、ERPのあり方そのものを更新し続ける、日本発の日本のためのERPエコシステムを形成する。

 富士通は今後、人手不足やデジタル格差といった社会課題に対し、企業や業界ごとに異なる業務要件に柔軟に対応できるよう、GLOVIA Oneを中核として、コンポーザブルな業務基盤の拡充を進めていく。また、2026年度中に、データとAIを活用し、意思決定を支援するAIエージェントであるChat BIの提供を開始するとともに、業界知見を有するステークホルダーとのつながりを通じて、業種・業界の特性を踏まえた外部ソリューションとの連携を継続的に進め、業務機能を選択・組み合わせられる環境を整備していく。

 さらに将来的には、社会課題を起点とする事業モデル「Uvance」のもと、業務フローそのものを理解したAIエージェントが、外部ソリューションやサービスと連携し、判断から実行までをワンストップで支援することで、日本企業の持続的な成長と産業競争力の強化を前進させるとしている。