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ラクス、新戦略「統合型ベストオブブリード」を発表 製品間連携を強化し企業のDXをワンストップで支援へ

 株式会社ラクスは28日、「楽楽精算」や「楽楽請求」といった個々のプロダクトをそれぞれ提供する従来の戦略をあらため、各プロダクトや他社のプロダクトを連携させ、シームレスな業務改善を継続して支援する「統合型ベストオブブリード」戦略への転換を進めると発表した。

 第1弾として、IDや社員マスターを一元管理する「楽楽従業員ポータル」の提供を3月2日から開始する。その後、7月には「楽楽明細」と「楽楽請求」の連携、8月以降に「楽楽精算」と「楽楽電子保存」の連携を予定し、企業の業務課題をワンストップで解決するソリューションの提供を目指す。

株式会社ラクス 取締役兼CAIOの本松慎一郎氏

これまでの製品戦略を転換、統合型ベストオブブリード戦略へ

 ラクスではこれまで、特定の業務や特定の機能に特化し、スイート型戦略をはじめとしたほかの製品戦略と比べて優れた便益提供を行う「ベストオブブリード型戦略」を採用してきた。

 「1つの業務領域に特化していることは、その領域において、競合他社と比べてもやはり優れたものを作ることができる。その結果、『楽楽精算』は経費精算領域においてナンバーワンを獲得。同じように、『楽楽明細』『楽楽販売』『楽楽自動応対』も、それぞれの業務領域において、売上シェアや導入社数でナンバーワンを獲得することができた」(ラクス 取締役兼CAIOの本松慎一郎氏)。

 さらに、成長フェーズの異なるサービスを同時展開することで、利益を創出しながら持続的な成長を実現するマルチプロダクト戦略を実施してきた。

ラクスの成長を支えたこれまでの製品戦略

 「売り上げは右肩上がりで伸び、SaaSプロダクトのARR(Annual Recurring Revenue:年間経常収益)は、国内SaaSベンダーの中では一番乗りで500億円に到達している。国内SaaSベンダーは、利益は出てないけれども成長しているという企業が多い中、我々は売上規模としても一番であり、営業利益も後期の着地見込みとして高い営業利益率を獲得し、売上と利益を両立しているところが特徴となる」(本松取締役)。

高い売上成長と利益率を実現

 しかし今回は、この戦略を転換。個別のプロダクトについては、従来通り特定業務に特化。個々のユーザーニーズに対する便益の最大化を追求でき、導入のための稼働も最小限に抑えられ、取り組みやすいというメリットを踏襲するが統合型のメリットを持ち、継続的にシームレスな業務改善支援を行える「統合型ベストオブブリード」を新たに採用する。

 それは、「日本は労働人口が減少し、デジタル化によってカバーしなければならない局面にあるものの、デジタル化が進んでいない。1人あたりの生産性を上げていかなければならないが、進んでいない」ためだ。

 本松取締役は、「我々も、特に中小企業を中心に業務効率化の必要性を伝えてきたが、2つの課題が見えてきている。1つは、お客さま自身では業務課題の特定が困難であること。業務効率化のために、具体的に何をすればよいかわからないお客さまがまだまだ多い。もう1つは、業務領域のDXに着手してはいるものの、段階的にさらなる効率化まで進んでいかない企業がまだまだ多い」という点を指摘。

 従来のベストオブブリード戦略を進化させた統合型ベストオブブリード戦略によって、楽楽クラウドを通じた企業のさらなる業務効率化を支援するとした。

 具体的な施策としては、共通ID基盤「楽楽従業員ポータル」を3月に導入。社員マスターの一元管理を実現し、楽楽クラウドの各サービスへシームレスにログインできるようにする。

共通ID基盤「楽楽従業員ポータル」

 次のフェーズでは、楽楽クラウドの各サービス間でのシームレスなデータ連携を図るとのことで、まずは7月に「楽楽明細」と「楽楽請求」を連携する。「楽楽明細マイページ」で受領した請求書データを「楽楽請求」へ自動連携し、請求書処理業務へシームレスに接続できるようにする予定だ。

 8月以降には、「楽楽精算」と「楽楽電子保存」の連携を予定する。「楽楽精算」の伝票に添付した支払関連の証憑を「楽楽電子保存」に自動連携することで、電子帳簿保存法への対応と証憑の一元管理・検索を実現するとした。

「楽楽クラウド」シームレスなデータ連携

 さらに、SaaSとフィンテックを組み合わせた価値拡大も進めていく計画で、請求書カード払いサービス、提携ビジネスカード「楽楽ビジネスカード」、銀行振込代行サービスなどを3月より順次提供開始する。

SaaS×フィンテックによる提供価値拡大

 「新たに開始する顧客支援サービスについては、全社員がサービスを提供できるスキルを持つことが理想だが、最初は専門部署を作り、楽楽クラウドの複数サービスを連携して利用することのメリットをきちんと説明できる体制を作っていく」(本松取締役)。

ワンストップでソリューションを提供する「楽楽クラウド」