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日本IBM、材料開発に特化した伴走型DXサービス「IBM Material DX」を提供

 日本アイ・ビー・エム株式会社(以下、日本IBM)は16日、材料開発に特化したサービス「IBM Material DX」を提供開始したと発表した。材料探索から設計・導入までを一気通貫で支援するほか、開発スピードを数倍に高めるとともに、ESG対応や規制物質リスクの事前回避を実現するとしている。

 IBM Material DXは、IBM Researchの先端技術を中核に、日本IBMのコンサルティングサービスや高度な技術基盤を融合した、材料開発に特化した伴走型DXサービス。顧客企業の課題やニーズに応じて、4つの柱を組み合わせて設計・構築するという。

 1つ目の「データ・マネジメント」では、IBM Researchが構築した膨大な公開文献データ基盤に、企業の材料・製品情報を統合し、社内外の情報を横断的に解析して新材料開発を戦略的に支援する。

 また2つ目の「AI・基盤モデル」では、数十億の化合物データで事前学習した基盤モデルと先端最適化技術を活用。材料候補のスクリーニング、構造設計、合成経路探索などを効率化し、開発スピードを数倍に高められるとした。

 3つ目の「LLM・対話型インターフェース」では、材料開発に特化したAIエージェントと、材料分野の専門家と会話するような自然なインターフェイスを用いて、専門知識がなくても必要な情報やインサイトを素早く取得できるようにする。

 最後の柱は、オンプレミス(IBM Fusion)とIBM Cloudを含むマルチクラウド/ハイブリッドクラウド環境に対応する「柔軟なインフラ環境」。機密情報を外部に出さずに運用を行え、企業のニーズに合わせた柔軟な構成を選択できる。

 このほか、ESGリスク判定ツール「IBM Safer Material Advisor」により、PFASなど規制強化が進む物質のリスクをAIが事前に可視化できる点も特徴。また、量子コンピュータの材料開発への適用に向けた教育・共同開発など、長期視点での支援も提供するとのことだ。

 なお、日本IBMは、顧客企業との中長期パートナーシップをもとに、データ収集からモデル構築、導入・運用まで、コンサルタント、研究員、データサイエンティスト、エンジニアといった専門家が一体となって伴走支援を提供するとしている。