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日立ヴァンタラ、次世代AI用途にも対応するハイエンドストレージ「VSP One Block High End」を発表

VSP Oneデータプラットフォームとサービスイメージ

 株式会社日立製作所(以下、日立)のグループ会社である米Hitachi Vantara LLCおよび日立ヴァンタラ株式会社(以下、総称してHitachi Vantara)は18日、次世代AIを支えるデータプラットフォーム「Hitachi Virtual Storage Platform One(VSP One)」に、NVMe対応の新オールフラッシュブロックストレージ「VSP One Block High End」を追加したと発表した。

 また、複数の環境で個別に行っていたデータ管理業務を統合・シンプル化した「Hitachi Virtual Storage Platform 360(VSP 360)」、企業のサステナビリティ戦略を支援するカーボンオフセット付きのサービスなども新たに提供する。

 Hitachi Vantaraでは、今回のVSP One Block High Endの追加により、VSP Oneデータプラットフォーム戦略が完成し、企業がデータから洞察(インサイト)だけでなく、具体的な成果を生み出すことを支援すると説明する。特に昨今増加しているランサムウェア攻撃に対しては、外部からアクセスできないデータ領域に、確実にデータを保護する機能を備えているため、万一攻撃を受けた場合でも、攻撃前のクリーンな状態のデータに迅速に復旧できるとしている。

 VSP One Block High Endは、基幹システムを支えるデータベースの高性能化・レイテンシー低減から、医療現場における患者データのアクセス管理まで、信頼性の高いデータインフラを必要としている企業のニーズに対応するハイエンドストレージ製品。

 セキュリティやコンプライアンス、運用継続性を維持しつつ、トランザクション処理の高速化やユーザー体験の向上、迅速なデータ分析を可能にする。また、旧機種との比較で最大71%高いIOPSにより、次世代AIやミッションクリティカルなシステムに適した安定性能を実現する。

 確実なデータ保護の面では、暗号モジュールやセキュリティ機能において第三者機関のセキュリティ認証(FIPS 140-3レベル2、Common Criteria)を取得している信頼性に加え、ランサムウェア攻撃時にも改変・削除されない確実なデータ保護を提供。データを複数の拠点でシームレスに連携し、ランサムウェア攻撃だけでなく、さまざまなリスクからデータを強固に保護する。

 シンプルさをもたらす高性能を実現するとともに、運用管理ツールを提供。データ圧縮を高速化するハードウェアアクセラレーションやNVMe対応のオールフラッシュ構成により、多様なワークロードで安定したストレージ性能(5000万IOPS)を発揮する。事前アセスメントが不要な4:1のデータ削減保証や、VSP 360によるシンプルな操作と統合されたデータ管理を提供する。

 環境への取り組みに向けては、高圧縮率アルゴリズムを搭載するデータ圧縮アクセラレータにより実容量とドライブ数を削減し、省資源・省電力に貢献する。最長10年のハードウェア保守や、ドライブ資産とデータをそのまま次機種へ移行可能にし、資源を有効活用する。ビジネスニーズに合わせた拡張と、負荷が低い場合のCPU周波数自動制御で消費電力を抑え、エネルギー消費とカーボンフットプリントを削減する。

 ランサムウェア攻撃に対しても、VSP Oneのスナップショット機能により、外部からアクセスできない領域を利用して、改変や削除されるリスクなく長期間データを保存できる。例えば2時間ごとにスナップショットを取得した場合、約85日分のデータ履歴を格納でき、この格納期間は一般的なランサムウェアのシステム内潜伏期間を大きく上回り、ランサムウェア攻撃発生時にも感染前のクリーンな状態のデータへの復旧を可能にするとしている。

 さらに、Hitachi EverFlexに、ランサムウェア攻撃を受けた際にも、被害状況の調査からデータ復旧、システムの早期復旧までトータルでサポートし、ダウンタイムを最小化し、復旧コストを削減する新たな保証プログラムを追加する。

 データ圧縮アクセラレータによる安定性能、最大12コントローラーと288台の60TB SSDまで可能な高い拡張性、オープンシステムとメインフレームを両立できることにより、さまざまなワークロードの統合をサポートする。接続方式拡大のため、100GbE(NVMe/TCP)および64G FCを追加し、メインフレーム向け32G FICONも継続して提供する。

 また、VSP One Blockは、設計から生産、デリバリー、保守サポートまで国内一貫体制で提供しており、経済安全保障の観点からも安心して利用できるとしている。

 VSP One Block High Endは、2026年前半にHitachi Vantaraおよびパートナーネットワークを通じて全世界で販売および提供開始予定。日本国内向けのVSP 360は、VSP One Block High Endと同時に提供開始する。Hitachi EverFlexで提供する、サイバーセキュリティの保証プログラムとカーボンオフセット付きハードウェア基盤は、2026年前半に販売および提供開始予定。