ニュース
日立ソリューションズ東日本、ザイオネックスのSaaS型SCMシステム「PlanNEL」を販売
2025年11月12日 10:00
株式会社日立ソリューションズ東日本は11日、サプライチェーン計画分野においてグローバルに実績を持つザイオネックス株式会社とパートナー契約を締結し、サプライチェーン計画・最適化システム「PlanNEL(プランネル)」の国内販売を11月に正式に開始すると発表した。
提携により両社は、SCM(サプライチェーンマネジメント)の複雑化や不確実性に直面している企業の課題に対応し、サプライチェーン全体を見渡した計画と判断を可能にすることで、競争力の強化と持続的な成長に貢献する。
PlanNELは進化型のSaaSサプライチェーンマネジメントシステムで、個別開発を必要とせず短期間で導入できる。企業におけるIT資産の保有・管理負担を軽減し、メンテナンス業務からの解放を実現する。また、業務へのフィッティングを通じて、標準化と整流化を促進し、企業全体の業務効率とガバナンスの向上にも貢献する。
AI/機械学習と統計手法を活用し、実績データに加えて天候や為替などの外部要因も考慮した高精度な需要予測をはじめ、販売計画、在庫計画、補充計画、供給計画までをワンストップで提供する。これにより、在庫の最適化、欠品・過剰在庫の抑制、属人化しがちな計画業務の標準化・自動化、業務負荷の軽減、人的ミスの軽減などを実現する。
さらに、複数拠点・部門を横断した計画をPlanNEL上で効率的に立案できるため、意思決定のスピードと精度が向上し、急激な市場変化や供給リスクにもシナリオシミュレーション機能により柔軟かつ迅速な対応を可能にする。
PlanNELは5つの主要モジュールで構成されており、業務ニーズに応じた柔軟な運用ができる。また、AIによる需要予測と営業戦略を織り込んだ販売計画の立案を実現する。
需要予測(Baseline Forecasting:BF)は、機械学習を活用し、販売実績と需要変動要因を分析することで、高精度な需要予測を生成する。販売計画(Demand Planning:DP)は、戦略品や重点品目に対して人手による調整を加えることで、販売計画の精度をさらに高める。
在庫計画(Inventory Planning:IP)は、ABC-XYZ分析を用いてサービスレベルを維持しながら、経済的発注量や安全在庫を算出する。補充計画(Replenishment Planning:RP)は、複数拠点における在庫補充計画を最適化し、供給の安定化とコスト削減を実現する。供給計画(Master Planning:MP)は、複数拠点の設備能力や資材制約を考慮し、中長期的な供給計画を作成する。
また、主要モジュールを柔軟に組み合わせることで、個別の業務要件や顧客ニーズに即したシステムを構成できる。例えば、「需要予測」と「販売計画」の連携により、AIによる定量的な予測と営業戦略に基づく定性的な判断を融合させ、高精度かつ実効性の高い販売計画の立案を支援する。
日立ソリューションズ東日本は、在庫の可視化を実現する「PSI Visualizer」や供給計画を担う「scSQUARE ISP」など、複数の製品を統合したプラットフォームとして、独自のSCMソリューション群「scSQUARE」を展開している。このscSQUAREとPlanNELに搭載された5つの主要モジュールを組み合わせることで、需要予測から販売・在庫・供給計画に至るまで、SCMプロセス全体の業務を柔軟かつ網羅的に支援する。
scSQUAREとPlanNELの連携により、両ソリューションの強みを融合し、顧客の業務特性や運用ニーズに応じた最適なモジュール選定と運用設計を行うことで、SCM領域の課題である急激な需要変動、供給リスク、属人化した計画業務などを解決する。これにより、サプライチェーン全体の可視性、計画精度、対応力を高め、企業の成長力と市場対応力の向上に貢献するとしている。
日立ソリューションズ東日本は、PlanNELの販売開始にあたり、ユーザー会やセミナー等の開催を通じて製品理解の促進と市場認知の向上に努めていく。今後は、ザイオネックスとの連携をさらに強化し、導入支援体制の充実と具体的な導入成果の積み重ねを通じて、国内製造業におけるSCM改革の実現に向けた取り組みを加速していく。