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テラデータ、エージェントAIの本番運用とビジネス価値創出に向けた新サービス「Teradata AI Services」を提供

 米Teradata(以下、テラデータ)は現地時間10月28日、AIの実証実験(PoC)を、本番稼働対応型のエージェントAIソリューションに転換することを支援する新サービス「Teradata AI Services」を発表した。

 Teradata AI Servicesは、専門コンサルタント、実証済みの方法論、テラデータのナレッジプラットフォーム「Teradata Vantage」を統合し、企業がビジネス全体にわたってAIエージェントを開発・拡張できるよう支援する。経験豊富なコンサルタントが、企業が現在保有するAIおよびデータへの投資価値を最大化しつつ、テラデータが最近リリースしたAIツール群を活用して、リアルタイムかつ状況を認識したエージェントの意思決定を可能にする。

 サービスは業界を問わず、またAIの成熟度に関係なく適用可能で、柔軟なエンゲージメントモデルにより高性能なエージェント型AIユースケースを実現すると説明。サービスはすべて、信頼できるデータ、セキュリティ、ガバナンスを提供するというテラデータの基本理念に支えられているとしている。

 テラデータでは、多くの企業がAIの実証実験に失敗しており、その原因は技術的な限界ではなく、優先順位付け、ガバナンス、実行の不備にあると説明する。多くの企業はデータの断片化と一貫性のないデータアクセスに苦しんでおり、96%の企業が信頼できるAIシステムに必要な一貫性のあるデータの維持に課題を抱えていると報告しているという。

 さらに、投資の偏りが「生成AI格差」と呼ぶ状況を生み出し、目に見えやすいユースケースにリソースが集中する一方、高いROIが期待できるバックオフィス業務への投資が不足しており、多くの企業は実証実験から本番運用への明確な道筋を持っていないのが現状だとしている。

 Teradata AI Servicesは、ユースケースの優先順位付けとガバナンスを導く専門家を配置することで、こうした課題に対応する。これにより、企業は低ROIの実証実験ではなく、高いインパクトをもたらす機会に焦点を当てられる。

 また、サービスはスプリント方式の採用を特徴とする。スプリント方式とは、通常1~4週間の短期間を「スプリント」と設定し、各期間内に具体的な成果物やマイルストーンを達成する段階的なアプローチで、複数のスプリントを反復することで、AIユースケースを段階的に本番環境へ展開しながら、各段階で成果を検証し、継続的に改善していく。

 スプリント方式の提供モデルにより、専門家主導の方法論とテラデータのAIツール群を組み合わせ、特定のビジネスコンテキスト内で学習・適応するエージェント型システムを反復的に展開する。このアプローチにより、断片化されたデータを統一された知識プラットフォームに変換しつつ、オペレーション、財務、顧客体験全体にわたって持続的なパフォーマンス、拡張性、再利用性を提供する。

 サービスは、各顧客のAI成熟度レベルに適応する3つの統合レイヤーで構成される。

 「AI Activation(AIの活性化)」では、接続された分析エコシステムを実現するための基礎的な活動を提供する。Teradata MCP Server、Enterprise Vector Store、AgentBuilderの展開に加え、再利用可能なデータ製品をサポートするためのデータパイプライン最適化やデータモデリングなどのモダナイゼーションサービスも含まれる。

 「AI Value Realization(AIによる価値実現)」では、アジャイルなスプリント方式の展開を活用してAI成果を本番環境に導入し、Vantage Customer Experience(VCX)やCustomer Interaction Manager(CIM)などのアプリケーション製品を成果重視の実装を通じて活用する。業界特有の再利用可能なデータ製品を活用することで、測定可能なビジネス価値を反復的に実現し、継続的な改善を示す。

 「AI Sustainment(AIの持続運用)」では、モデル運用と継続的な管理を確保し、本番環境に展開されたAIユースケースが常に関連性を保ち、最新の技術進歩を継続的に活用できるようにする。

 さらに、Teradata AI ServicesはROI、自動化率、エラー削減、エージェントの信頼性といった明確なKPIを通じて成功を測定し、定量化可能なビジネスインパクトを確保する。サービスは、顧客の予算とAI成熟度に応じた柔軟な段階的モデルを提供し、アジャイルスプリント方式で優先順位付けされたユースケースを展開する。

 Teradata AI Servicesは現在、すべての地域で一般提供されている。クラウド環境とオンプレミス環境の両方をサポートし、すぐにサービスを利用開始できる。価格は要問い合わせ。