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日立、鉄道事業者向けにエネルギーマネジメントを支援する「鉄道電力分析サービス」を提供
2025年8月29日 13:22
株式会社日立製作所(以下、日立)は28日、鉄道事業者向けに、エネルギーマネジメントを支援する「鉄道電力分析サービス」を提供開始した。
鉄道電力分析サービスは、鉄道事業者が保有する車両や設備情報、運行や送電実績などの現場データを、日立の鉄道システム統合シミュレーターで総合的に分析することで、設備・運用面での課題を可視化し、改善策の検証を行う。これにより、鉄道事業者における電力運用を最適化し、環境負荷低減とコスト削減の両立による持続可能な輸送事業の実現に貢献する。
近年、鉄道業界では、気候変動への対応が急務な一方、エネルギー価格の高騰などによる輸送コストの増加も課題となっている。鉄道事業者は環境負荷を低減しつつ経済的にも持続可能な輸送事業の実現が求められており、鉄道電力に関するオペレーションの改善が不可欠となっているという。
こうした課題を受け、日立は鉄道事業者のエネルギーマネジメントを支援する鉄道電力分析サービスを開発した。
サービスでは、鉄道事業者における車両や設備の情報、運行実績、送電実績などの現場データを、日立独自の鉄道システム統合シミュレーターで総合的に分析する。これにより、個別の事象だけでは発見が困難な潜在的な課題についても、可視化や原因の特定が可能となる。
車両から取得できる運転記録データが限られている場合でも、運行ダイヤなどの車両以外から得られる既存の運用実績データを活用することで、鉄道システム統合シミュレーター上で不足データを補完できる。これにより、鉄道事業者は車両からのデータを収集するための新たな仕組みを導入することなく、路線全体を網羅的かつ緻密に分析できる。
現状の分析や可視化にとどまらず、車両や信号、運行管理、電力など、鉄道インフラの各分野における日立グループの知見を活用し、分析結果に基づく改善検証から施策導入まで、鉄道事業者の課題解決に伴走する。ワンストップで鉄道電力の最適運用を支援し、鉄道事業者の持続可能な輸送事業の実現に貢献する。
日立ではサービスの提供開始に先立ち、複数の鉄道事業者に試行的にサービスを適用し、効果確認を実施した。具体的には、各車両の消費電力を分析することで、ピーク時における瞬時最大電力および全体の消費電力量削減の有効性が確認できた。また、回生失効の発生状況の分析により、回生失効の発生を約70%削減可能との結果になったという。
日立は今後、サービスを通じて、鉄道事業者における設備やオペレーションの継続的な改善を支援していく。具体的には、分析環境の高度化、既存システムとの連携による最適な運用計画の立案、および状況に応じたエネルギーのリアルタイム制御など、サービスの機能の拡充を目指す。こうしたデジタルの活用と、IT×OT×プロダクトの融合により、鉄道事業者の持続可能な輸送事業の実現に貢献するとしている。