ニュース
デンソー、サーバーラック内部の目視点検をリモートで実現する「ラック内移動カメラ PatRack19(仮称)」をInteropに参考出品
2025年5月27日 06:30
株式会社デンソーは26日、データセンターにおけるサーバーラック内部の目視点検作業をリモートで実現する「ラック内移動カメラ PatRack19(仮称)」のプロトタイプを、6月11日~13日に幕張メッセで開催される「Interop Tokyo 2025」に参考出品すると発表した。
PatRack19は、サーバーラックの内扉に専用レールとともに設置する「カメラBOX」と、その動作を支援する「モーターBOX」、それらを管理制御する19インチラックマントタイプの「制御BOX」の3つの機構で構成される。
レールを用いた昇降構造による安定・安全な動作により、ラックの遠隔からのリアルタイム監視を可能にする。Wwb-GUI標準搭載で直感的な操作が可能で、監視シーケンス・スケジュールを自由にカスタマイズできる。また、5式のカメラで、水平方向の死角を排除する。
これにより、LEDランプ状態(機器の動作状況の確認)の確認や、ネットワーク接続(通信ポートの物理的な接続状況の確認)、銘板情報(型番・シリアル番号・MACアドレスなど機器の識別情報の確認)、搭載位置(ラック内機器配置状況を正確に把握)の確認といった、監視に活用できる。
PatRack19の導入により、現地での確認作業を不要とし、少人数での運用体制に貢献することや、常時映像記録による証跡確保と、不正改変・ミスの抑止によるセキュリティ・可視性の向上などが期待できると説明。また、内扉取り付け式のため、既設ラックへの導入が容易で、工事負担も最小限で済むといったメリットがあるとしている。
Interop Tokyo 2025展示会場内のブースでは、PatRack19の試作機を初展示する。カメラ昇降移動操作のデモンストレーションを行い、サーバーラック内の実際の撮影映像を見ながら、導入シナリオや管理インターフェースの構成などを紹介する予定。
デンソーは今後、製品に対するフィードバックをもとに、実用性・操作性・拡張性の向上を図り、2025年10月をめどに正式リリースを予定する。また、デンソー開発のDCIMソフトウェア「garmit」との連携により、データセンター統合管理ソリューションとして、より広範な運用支援を目指すとしている。