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NSSOL、製造・エネルギー・運輸業向けデジタルツインソリューション「Geminant」を販売

 日鉄ソリューションズ株式会社(以下、NSSOL)は22日、製造・物流拠点を有する製造・エネルギー・運輸業などの顧客に対して、3Dのデジタル空間上に自社拠点の操業・保全・保安・物流に関する情報を表示し一元的な可視化を実現する、デジタルツインソリューション「Geminant」を販売開始した。

 NSSOLでは、製造・エネルギー・運輸業などの顧客の現場操業では、現場に行かないと現場の状況が分からない、現場作業者が見たこと・感じたことをほかの作業者・管理者にタイムリーに共有したい、現場の操業状態を可視化して、時間・場所を問わず、誰にでも分かりやすい形で認識を共有したいといった課題やニーズがあったと説明。

 Geminantは、こうした課題とニーズを解決するため、データの時系列管理と現場の可視化をキーに、建築と保守、機械と電気、本社と工場など、異なる業務間におけるデータ連携・共有を実現する製品の開発を目指し、2023年に製品化構想を開始。数社の顧客とのPoCを通じて機能を拡充し、製品販売を開始した。

 Geminantの活用により、さまざまな役割や業務を超えて、俯瞰(ふかん)的・視覚的に状況認識を行うことが可能となるほか、計画データやシミュレーション結果を反映することにより、予実分析や異常予測等も実現可能となる。

 広域なエリア表示が可能で、地理情報システム(GIS)で表現された3次元マップをベースに、単一工場のみならず全世界の工場や営業エリアを対象とした可視化が可能。保安情報の一元化、災害時対策、工事シミュレーション、保全作業効率化、操業運転管理、車両運行管理など、さまざまなユースケースに利用できる。

 また、過去から現在の時系列に応じたデータ可視化機能に加え、NSSOLが保有する数理モデルを用いた最適化技術やシミュレーション技術を使って、外部からのシミュレーション結果を連携させることで、未来時間での並行世界も表現できる。

Geminantの画面イメージ

 統合データモデルをベースとした拡張性を備え、デジタルツインを表現する統合データモデルをベースに、顧客の業務を表現するデータを追加することで、顧客の課題解決やニーズを実現する独自のデジタルツインシステムを構築できる。

 既存システムとの柔軟な連携も可能で、NSSOLが保有するスマートファクトリーソリューションである、現場作業員向けの「安全見守りくん」、製造設備向けの稼働状態監視・予知保全ソリューション、製造物に対する現品管理・トレーサビリティ・画像解析ソリューションなどの各種データに加え、顧客が保有するさまざまなデータ(DCSなどの運転データ、P&ID/BIMなどの図面データ、各種カメラ映像、BIツールなど)をGeminantと連携させることにより、容易にポータル化できる。

 また、NSSOLの自社開発ソリューションのため、URL連携不可のデータについても、要望に応じて個別に連携用インターフェイスの開発が可能となる。

 NSSOLでは、Geminantの利便性をさらに高めるため、関連する複数のデータに共通の管理IDを割り当ててデータベース化する技術、自動でデータ間の関連付けを行う技術、生成AIを用いて必要な情報をガイダンスする技術などからなる「データシンクロニシティプラットフォーム」への拡張を目指している。この機能拡張の実現により、運用担当者はGeminant上で必要な情報を自ら探すことなく、必要な情報にアクセスすることが可能になるとしている。