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富士フイルムシステムサービス、自治体向け「異動受付支援システム」新機能を開発へ
「書かないワンストップ窓口」実現に向け、基幹業務システム連携などを実施
2025年5月22日 15:09
富士フイルムシステムサービス株式会社は21日、自治体窓口において、転入・転出・転居といった住民異動手続きの効率化を支援する「異動受付支援システム」の新機能開発を開始すると発表した。なお、新機能を搭載したシステムは、デジタル庁が整備するガバメントクラウド上で稼働し、2026年12月の提供を予定する。
「異動受付支援システム」は、全ての住民異動届を対象とした、届出業務全体をシステム化できるソリューション。OCR技術を活用して転出証明書に記載された氏名・住所・生年月日などの情報を読み取り、テキストデータ化し各種申請書に反映させる仕組みにより、住民は手書きすることなく、各種申請書を作成できる。このため住民は、各種申請書の手書きにおける記入負担を軽減できる一方、自治体職員も、手書き文字の判読や記入漏れなどの補正の手間を省けるとのこと。
同システムでは今回、デジタル庁が提唱する「書かないワンストップ窓口」の実現を目指し、3つの新機能の開発を実施する。
1つ目は、自治体の基幹業務システムとの連携機能。自治体の基幹業務システムのデータを活用し、異動受付だけでなく、子育てや介護など、申請者のライフイベントに合わせて必要な関連行政手続きをシステムが自動判定する機能を提供する。自治体職員は、複数の課にまたがる手続きであっても、画面上に表示されたヒアリング項目に沿って入力することにより、情報の漏れなく申請受け付けを行えるとのこと。
また、申請受け付け時の手続き情報は各所管部署へデータ連携されるため、各所管部署の自治体職員は、住民への受け付け対応をすることなく、システム上で申請の審査を行うだけで処理が完了する。これにより、申請受け付けの窓口業務の負荷が全庁的に軽減されるほか、来庁する住民は1つの窓口で必要な関連行政手続きをまとめて受けられるようになるので、複数の窓口を回る必要がなくなるとした。
2つ目は、自治体の運用に合わせた申請書編集機能。法改正などで各種申請書の様式変更が必要となる際、従来はシステムの提供ベンダーに様式変更を依頼する必要があり、発注の手間やコストが生じていたが、この機能を利用すると自治体職員が各種申請書の様式を柔軟に変更できるようになる。
3つ目は、システムの定着や運用の改善に寄与する、システムの利用状況レポーティング機能である。システムの利用状況はレポート形式でいつでも確認/ダウンロードでき、自治体内や関連省庁への報告業務をタイムリーに実施可能。活用状況は、システムを利用する職員のアカウント単位で把握できることから、システムを活用できていない職員に対して利用を促す対応を推進し、利用促進につなげることもできる。さらに、活用しきれていない過剰なシステムアカウントの精査によって、アカウント数の適正化も図れるとのこと。