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日本IBM、「dTV」レコメンド基盤の構築を支援

 日本アイ・ビー・エム株式会社(日本IBM)は、エイベックス通信放送株式会社が運営し、NTTドコモが提供する定額制映像配信サービス「dTV」について、会員に対してコンテンツを提案するためのレコメンド基盤の構築を支援したことを発表した。

 レコメンド基盤は、IBMのクラウドサービス「SoftLayer」上で稼働。日本IBMのコンサルタントやデータサイエンティストと連携し、高度な分析により的確なセグメンテーションを可能にする「IBM SPSS Modeler」や、データアナリティクスを高速化する「IBM DB2 with BLU Acceleration」などのアナリティクス製品を採用した。

 エイベックス通信放送では、2011年からNTTドコモと共同で定額制映像配信サービス「dビデオ powered by BeeTV」を開始。2015年4月に「dTV」にリニューアルし、新規会員登録は順調に推移する一方、ユーザーインタフェイスの複雑さや、豊富な映像コンテンツから嗜好にあった作品選びの難しさが課題となっていた。

 新レコメンド基盤では、2009年の「BeeTV」サービス開始から蓄積してきた会員の年齢や性別などのセグメント情報、会員が閲覧したコンテンツのカテゴリー、作品名、視聴時間などの視聴情報などを分析し、会員の嗜好に合ったコンテンツを提案する。ある会員と類似した他の会員の情報を用いて嗜好を自動的に推論し、そのデータをもとに会員のセグメンテーション化とセグメント別お勧めコンテンツのメール配信を行う。

 基盤は短期構築と初期投資の抑制を実現するため、IBMのクラウドサービス「SoftLayer」を採用。さらに、「IBM SPSS Modeler」のSQL Pushback機能と、「IBM DB2 with BLU Acceleration」機能を活用することで、SoftLayer上での高速処理を実現した。

 また、このプロジェクトでは、フィルムアナリストと呼ばれるスペシャリストが、すべてのコンテンツを確認しながら、サイエンスフィクション(SF)、アクション、ロマンチック、ドキュメンタリー、宇宙など、映画の特長を示すキーワードをフィルムメタと呼ばれるメタ情報として、1作品につき約1000のメタデータを全作品へ付与したことで、会員へのきめ細かなコンテンツ提案の実現に貢献している。

 エイベックス通信放送では、新レコメンド基盤の導入により、顧客属性、視聴履歴、視聴デバイスなどの情報を収集・分析することで、会員の嗜好を正確に理解し、新しいコンテンツの展開を通じて、視聴者の満足度向上と新規会員のさらなる獲得を推進していくとしている。

三柳 英樹