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「HP Moonshot System」をパナソニックISが採用、モバイルワーカーの作業を支援
仮想化しないリモートデスクトップ環境を提供
(2014/10/27 17:04)
日本ヒューレット・パッカード株式会社(以下、日本HP)は27日、パナソニック インフォメーションシステムズ株式会社(以下、パナソニックIS)が、モバイルワーカー向けリモートデスクトップ環境に「HP Moonshot System」を採用したと発表した。
パナソニックISでは2010年に、社内170ユーザーを対象に仮想デスクトップ(VDI)環境を導入していたが、恒常的なパフォーマンスの問題を解決するため、HP Moonshot Systemによるソリューション「HDI(Hosted Desktop Infrastructure)」に着目。これを実現する「HP ConvergedSystem 100 for HDI」(以下、HP CS100 for HDI)を導入したという。
「HP CS100 for HDI」で提供されるHDI環境は、1ユーザーが物理リソース/OS/アプリケーションを占有する「仮想化しないリモートデスクトップ環境」。ビジネスグラフィックスおよびマルチメディアパフォーマンスも、従来のデスクトップPCと同等、あるいは仮想デスクトップソリューションの6倍の秒速フレーム数を実現した。さらに従来のデスクトップに比べ総所有コストを44%削減し、導入時間を最短でわずか2時間へと1/90に短縮する。
その基盤としては、手のひらに載るほど小さな物理サーバーカートリッジ45枚を4.3Uのシャーシに収容する、超高密度型プラットフォーム「HP Moonshot System」が使われている。サーバーカートリッジ「HP ProLiant m700 サーバーカートリッジ」には、CPUとGPUを統合したAMD Opteron X2150 APU、8GBメモリ、64GB SSDがそれぞれ4基搭載されており、1カートリッジで相互に独立した4ユーザー分の環境を提供できるとのこと。従って1シャーシ内では最大180ユーザー分のHDI環境を収納できる。
パナソニックISでは、高速なSSD上でOSとアプリケーションを稼働させ、データ管理用のユーザー領域は外部のファイルサーバーを使用する構成を採用。稼働検証/パフォーマンス検証では、表計算ソフトのスクロールや動画再生が、従来のPCと区別がつかないほど快適に動作するを確認した。
また、既存のVDI環境と比べてサーバー機器群の収容スペースを半分以下に削減したほか、1ノードごとに電源オン/オフを自動制御する仕組みを用意し、全体の消費電力を抑制している。
さらに、サーバーカートリッジをユーザーに対して固定的に割り当てる、より物理PC環境に近い構成の「非プロビジョニング方式」を採用し、シンプルな運用を実現したとのこと。SSDの障害に際してもコンポーネント単位で交換可能なため、従来型のPCに近いメンテナンス性を備えた。