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ソフォス纐纈新社長が戦略を説明、「チャネルビジネスやクラウドを本格展開」

ソフォス 代表取締役社長の纐纈昌嗣氏

 ソフォス株式会社は、今年3月1日付けで、新社長に纐纈(こうけつ)昌嗣氏が就任したことに伴い、2015年度の事業戦略発表会を4月3日に開催した。

 発表会では、まず、纐纈氏がソフォスの事業概況について説明。「ソフォスは、1985年に英国アビンドンで設立され、セキュリティソフトとしては老舗の企業となる。グローバルの売上高は2013年度で400億円に達し、従業員数は約2200人まで拡大している。ビジネスターゲットはBtoBにフォーカスしており、1億以上のユーザーベース(ライセンス)と2万以上のチャネルパートナーを有している」と、BtoB向けのセキュリティソリューションを中核にして順調に事業を拡大しているとした。

ソフォスのセキュリティソリューション

 「製品の特徴としては、UNIX、Linux、Mac、Windowsまで幅広いOSをカバーするサーバーセキュリティ製品を始め、セキュリティ対策をオールインワンで実現するアプライアンス製品、スマートフォンやタブレット、ストレージ、デスクトップ製品のセキュリティを担保するデバイスセキュリティ製品をラインアップ。1つのベンダーでネットワークからサーバー、デバイスまで包括的なセキュリティソリューションを提供している。また、中小企業向けに、非常にシンプルな導入・保護・管理を実現しているのも当社製品の大きな特徴となっている」と、纐纈氏は、ソフォスが提供するセキュリティソリューションの概要を紹介した。

 次に、日本市場に対する事業方針について纐纈氏は、「シンプルなセキュリティソリューションとクラウドサービスを提供することで、大企業だけでなく幅広い企業ユーザーのセキュリティ課題を解決する」とともに、「データセンターに焦点をあて、UNIX、Linux、MacOS、ストレージに対応したシステム・セキュリティ・ソリューションの提案により社会基盤の安全性確保に貢献していく」ことを掲げた。

新パートナープログラムの概要

 この事業方針のもと、2015年度の戦略としては、「“チャネルファースト”を最重要課題とし、チャネルを中心とした事業モデルを本格展開していく」ことを明らかにした。具体的には、5月初旬をめどに新パートナープログラムを立ち上げる計画で、販売パートナーとソリューションパートナーそれぞれに「プラチナ」「ゴールド」「シルバー」のランクを設け、ランクに応じた支援プログラムを提供するという。「これによって、ソリューションパートナーを現在の6社から倍の12社に拡充する。また、2015年度中に、50社の販売店ネットワークの構築を目指す」としている。

 また、ネットワークセキュリティ事業部を設立し、UTMアプライアンスの売上拡大を図る。とくに中小企業向けに、オールインワンセキュリティソリューションの「Sophos UTM」の拡販に力を注いでいく考え。同製品は、ネットワーク、メール、Webセキュリティをワンボックスで提供するUTMアプライアンスで、Webブラウザベースの管理画面であらゆる機能を容易に設定することができる。すでに60か国で10万社以上の導入実績をもち、日本でもOEMを中心に約1万台の販売実績があるという。「今後、20社の販売店ネットワークを構築し、2014年度比で50%増を達成したい」と、纐纈氏は意欲を見せた。

「Sophos UTM」

 さらに、クラウドセキュリティ製品「Sophos Cloud」を新たに導入することで、中小企業向けに最適なセキュリティソリューションを展開していく。「Sophos Cloud」は、マルウェア対策、ホスト侵入防止システム(HIPS)、およびデバイスコントロールを統合した、効果的なデスクトップセキュリティエージェント。WebマルウェアスキャンとWebフィルタリングを統合した機能を備えており、リアルタイムでSophosLabsに接続し、既存の脅威や定義ファイル反映前の脅威からユーザーを保護する。「今までは、ソフトウェアで提供した機能をクラウド上に展開していたが、これからはクラウドから新しい機能をリリースしていく」と、纐纈氏は、ソフトウェア開発をクラウド中心にシフトしていく考えを示した。

唐沢 正和