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CA、統合モニタリング製品「Nimsoft」新版~運用負荷を軽減する新機能
(2013/11/13 06:00)
CA Technologiesは11月12日、統合モニタリング・ソリューションの最新版「CA Nimsoft Monitor 7」を本日より出荷開始すると発表した。
「CA Nimsoft Monitor」は、レガシー環境からパブリッククラウドやプライベートクラウドを含むすべてのインフラストラクチャ・レイヤのモニタリングを網羅する単一のソリューション。
今回の最新版をリリースするにあたり、CA Technologies CA Nimsoftソリューション・グループ バイスプレジデントのケビン・ランバート氏は、「現在の多くのモニタリングツールは、クラウド環境におけるダイナミックなリソースの変化にうまく対応できていないのが実状。サービスプロバイダーでは、ハイブリッドクラウドに向けて、包括的かつ効率的なモニタリングツールのニーズが高まっている。また、エンタープライズ企業では、部門ごとに別々のツールを使用するなど、運用管理が複雑化しており、使いやすさと機能性を備えたモニタリングツールが求められている」と、モニタリングツールを取り巻く市場環境を説明。
「CA Nimsoft Monitorは、“何をモニタリングするか”ではなく“どうやってモニタリングするか”というコンセプトで開発されているのが特徴。これにより、120種類以上の幅広い監視対象をカバーし、単一システムであらゆるITインフラの一元的なモニタリングを可能とする。「さらに、死活監視からリソース監視、性能管理、サービス管理まで包括的な機能を備え、サービスプロバイダとエンタープライズ企業の双方のニーズに応じて柔軟に対応できるモニタリング環境を提供する」とメリットを強調する。
新版では、運用担当者用ポータルやディスカバリ機能を強化するなど、さらに高度な統合モニタリングを可能にしている。まず、運用担当者用ポータルの強化では、障害アラートから性能レポート、エグゼクティブダッシュボードまでを統合したポータル機能「ユニファイド・サービス・マネージャ」を新たに搭載。「これにより、いままで複数のモニタリングツールを使っていたり、障害管理と性能管理を連携できていなかった運用担当者は、単一画面から、現在発生しているアラート情報だけでなく、監視対象のリソース使用状況レポートなどを同時に確認することが可能になる」(CA Technologies ソリューション技術本部 シニアコンサルタントの里見直也氏)としている。
加えて、エグゼクティブダッシュボードには、ユーザーが任意で登録したリソースグループをバッチで表現し、グループごとに障害を色で知らせる「バッチビュー」、および地図やフロアマップから障害箇所を特定する「ジオビュー」をビルトインで新たに提供し、障害箇所や障害影響範囲の特定を迅速化した。
ディスカバリ機能の強化としては、ネットワーク内の監視対象となるサーバーやネットワークデバイスを自動検出する機能を拡張した。この機能により、インフラ管理者は、個々の監視対象を手動で登録するのではなく、自動でシステムに追加することが可能となる。また、各種認証情報を登録しておくことで、より詳細な属性情報を収集し、登録できるようになった。「プライベートクラウド環境では、エンドユーザーがダイナミックに次々と仮想サーバーなどを立ててしまうが、こうした動きにもリアルタイムで追随することができ、管理者の負担を軽減しつつ、スピード感のあるモニタリングを実現する」(里見氏)という。
さらに、各種監視設定を行うためのWeb管理コンソールを新たに提供。運用担当者は、監視項目の編集やユーザー登録などの管理作業を、場所やクライアント環境にかかわらず、Webブラウザから設定が行えるようになった。このWeb管理コンソールは、HTML5で開発されているため、従来の専用クライアントで実現していたドラッグ・アンド・ドロップなどによる監視対象サーバーへのプローブのインストールといった処理についても、同様の操作性を実現している。
新版では、ネットワーク管理機能も強化しており、「以前のバージョンでは、ネットワーク管理のためのコンポーネントを、監視項目や対象ベンダーなどによって使い分ける必要があったが、今回の最新版でこれらを単一機能に集約した。運用担当者は、単一画面で、SNMPに関わるすべての設定作業を行える」(里見氏)という。また、これまではシスコ社のネットワーク機器以外への設定は、ユーザー自身で行う必要があったが、今回のアーキテクチャ変更、および同社他製品のナレッジを取り込むことで、今後はより多くベンダーや機器の自動設定に対応していく予定だ。
このほか、「CA Nimsoft Monitor」のコンポーネント間通信に使用されている独自のメッセージ・バス機能を最適化することで、スループットの向上を実現。これにより、とくに大規模環境の管理に使用しているユーザーは、従来よりも少ないサーバー数で同等数のデバイスを監視することが可能となった。また、マネージド・サービスを利用しているユーザーは、従来よりも多くのテナントを1つのシステム収容できるようになった。
参考価格(税別)は、サブスクリプション契約(1年間~)で、サーバー50台、ネットワーク機器50台の場合、月額19万5000円(サーバーの基本監視、ネットワーク機器のSNMP監視を3年契約で使用)となる。